海外テニス

元王者マリーが24歳のセルンドロにストレート勝利。レンドル氏のサポートについて「本当に重要なこと」<SMASH>

中村光佑

2022.08.30

全米オープンで2回戦進出を決めたアンディ・マリー。(C)Getty Images

 いよいよ戦いの火ぶたが切って落とされた年内最後のグランドスラム「全米オープン」(8月29日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)。現地8月29日に男子シングルス1回戦が行なわれ、元世界ランク1位のアンディ・マリー(イギリス/現51位)が登場。第24シードのフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/27位)を7-5、6-3、6-3のストレートで下し、同大会15度目の2回戦進出を決めた。

 全米では2008年に準優勝、12年に優勝を飾っている35歳のマリー。今年7月のノルデア・オープンでツアー初タイトルを獲得したセルンドロとは今大会が初顔合わせとなったが、元世界王者は得意のバックハンドを軸に主導権を確保。第2ゲームから4ゲームを立て続けに奪い、粘りを見せるセルンドロを振り切って第1セットを奪取する。

 第2セットでも安定したプレーを続けるマリーは第1ゲームから5ゲームを連取。サービング・フォー・ザ・セットとなった第6ゲームから追い上げを許すも何とかリードを守り切り、勝利に王手をかける。

 迎えた第3セットではセルンドロに思うようなプレーをさせなかったマリーが3度のブレークを果たし、2時間41分で勝利を収めた。
 
 試合後のオンコートインタビューでマリーは「今日は、とても難しいコンディションだった。とても湿度が高くて暑かった。簡単ではなかった」と振り返りながらも、「それを乗り越えられたことに満足している。大事な場面でいいプレーができた」と喜びを表現。「今季素晴らしい活躍を見せている」セルンドロに勝利するために、「自分もいいプレーをしなければいけないと思っていた」という。

 また今大会では10年前に全米でタイトルを獲得した時に指導を受けていた元世界1位のイワン・レンドル氏がマリーをサポートしており、この日の1回戦ではコートサイドから戦況を見守っていた。それについて問われたマリーは「彼(レンドル)が僕をサポートしてくれることは、本当に重要なことだ。僕たちは一緒に素晴らしい結果を出してきた。彼が時間を割いてくれていることに本当に感謝している」とレンドル氏への謝意を示した。

 相性の良いニューヨークの舞台で幸先の良いスタートを切ったマリーは、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で今大会に出場している世界203位のエミリオ・ナバ(アメリカ)と2回戦で対戦する。地元勢のナバは初戦でジョン・ミルマン(オーストラリア/103位)に7-6、4-6、7-6、1-6、6-1のフルセットで競り勝った弱冠20歳の新鋭だ。勢いのある若手プレーヤーに対し、マリーがどのようなプレーを見せてくれるのか注目したい。

文●中村光佑

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