海外テニス

「優勝するチャンスもある」前回覇者のメドベージェフがキリオスを称賛。1位陥落についても言及<SMASH>

中村光佑

2022.09.06

全米4回戦でキリオスに敗れた世界1位のメドベージェフ(左)。(C)Getty Images

 現地9月4日に行なわれたテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルス4回戦で敗退した前回大会覇者のダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク1位)。試合後の会見では終始ハイレベルなテニスを見せた対戦相手のニック・キリオス(オーストラリア/25位)を素直に称賛した。

 ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今大会でも初戦からすべてストレート勝利と順調な勝ち上がりを見せていたメドベージェフは、4回戦で過去1勝3敗と相性の悪いキリオスとの大一番を迎えた。この試合では持ち前の多彩な攻撃を披露したキリオスから思うようにポイントを取れない展開が続き、2時間53分の接戦の末に6-7(11)、6-3、3-6、2-6で敗退。タイトル防衛とはならなかった。

 4回戦後の会見でメドベージェフは物怖じすることなくポテンシャルの高さを発揮したキリオスをこう称えた。

「(直近で対戦した)モントリオール大会の2回戦でもすでに彼は良いプレーをしていた。今日もレベルの高い試合だったけど、彼はいつも通り素晴らしいプレーをした。彼のサービスはすごいし、対戦するのが難しい選手だ。ベースライン上でプレーすれば自分が優位に立てることはわかっているが、彼だって良いプレーをするし、あらゆるショットを駆使してくる。今日はのどに痛みがあってそれが身体の調子に影響を及ぼしたと思うけど、ニックのプレーが良かったから言い訳にはならないよ」
 
 続けて「今日の彼はジョコビッチとナダルのようなレベルでプレーをしていた」とキリオスの驚異的な強さに脱帽したことを明かし、「彼が今日のようにプレーできれば今回の全米で優勝するチャンスもあると思う」と予想した。

 一方、4回戦敗退に終わったメドベージェフは昨年の全米優勝で獲得した2000ポイントのうち1820ポイントを失効することとなり、今大会閉幕後に更新される世界ランキングでの1位陥落が確定した。それでも26歳の世界王者は「ここでいいパフォーマンスをしようと思っていたのに、残念だ」と悔しさを滲ませながらもすでに前を向いているようだ。

「でも『くそっ、もう自分は世界1位ではないのか』なんて思うことはない。実際のところ、自分がどこの順位になるのかがわからない。おそらく3位か4位くらいだろう。アルカラスに抜かれる可能性もある。でもそのことが『もっとうまくやりたい』というモチベーションになる」

 今回の敗戦を糧に、メドベージェフはまた一段と強くなるかもしれない。今後のさらなる活躍を期待したいところだ。

文●中村光佑

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