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海外テニス

「ヒザが思うように回復しなかったということだ」フェデラー引退決断の背景を長年のコーチ、リュティ氏が語る<SMASH>

中村光佑

2022.09.19

2007年からフェデラーのコーチを務めるリュティ氏(右)。フェデラーが引退を決めた理由や、決断時の様子について明かした。(C)Getty Images

2007年からフェデラーのコーチを務めるリュティ氏(右)。フェデラーが引退を決めた理由や、決断時の様子について明かした。(C)Getty Images

 9月23日から開催される男子テニス団体戦「レーバー・カップ」を最後に現役から退く元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス)。その彼を2007年から指導してきたコーチのセベリン・リュティ氏がスイスの日刊新聞『Tages Anzeiger』でスポーツジャーナリストを務めるシモン・グラフ氏の取材に応じ、フェデラーが引退を決断した背景について明かした。

 右ヒザのケガにより、昨年7月以降はツアー大会に出場していなかったフェデラー。復帰へ向けて懸命なリハビリに励んできたものの、現地9月15日に更新した自身の公式SNSで「レーバー・カップが僕の最後のATPイベントになる。これからもテニスはプレーするが、グランドスラムやツアーには出場しない」と正式に発表した。

 度々海外メディアのインタビューで復活へ向けて意欲を示してきたフェデラーが約24年の輝かしいキャリアに終止符を打つことにした理由について、リュティ氏は次のように説明した。

「単純に彼のヒザが思うように回復しなかったということだ。彼は41歳で、長くツアーにいて、1500以上の試合を戦ってきた。彼の引退は、様々な要因が絡んでいる」

 テニスファンだけでなく現役選手からも引退を惜しむ声が絶えない中で、リュティ氏はその決断に安堵しているとも言う。

「ロジャーは、私たち全員を楽にしてくれた。もちろん彼にとっては非常に感傷的な決断だったろうが」と述べたうえで、こう続ける。「彼はいつも前向きだ。(引退により)彼が打ちひしがれている姿を見ていたら、もっとつらかったと思うが、彼が全てを滞りなく処理した姿に私も救われたよ」
 
 そして、引退を悲しむファンに対して「私たちは彼のキャリアの終焉だけでなく、彼が達成した全てのことに目を向けるべきだと思う。ロジャーと一緒に経験できた全てのことを喜ぶべきなんだ」と呼び掛けた。

 さらにリュティ氏は、フェデラーのテニス面の功績だけでなく、人間性においても「記憶に残る選手になるだろう」と説く。

「彼の優しさと、他の選手に対する振る舞い。ロジャーは、他の選手たちが互いに敬意を持って接するようになることに貢献した選手だ。彼は誰であろうと関係なくロッカールームでみんなに声を掛けていた。“善良な人間”として記憶に残るのは、1つや2つのタイトルよりも大切なことだ」

 ちなみにフェデラーが現役最後の舞台となるレーバー・カップで実際にプレーをする可能性について、リュティ氏は「彼はシングルスでもダブルスでも出場しようとするだろう」と話している。これについてフェデラー本人はまだコメントを出していないが、どのような形になろうとも芸術的なプレーで世界中のファンを魅了し続けてきた彼の最後の雄姿をしっかりと目に焼き付けたい。

文●中村光佑

【PHOTO】フェデラー&リュティの姿も。なかなか見られないトッププロの練習風景
 

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