海外テニス

“新ビッグ3”を問われてアルカラスが挙げた名前は? ただし「僕はまだこれから」と謙虚さは崩さず<SMASH>

中村光佑

2022.09.21

BMWの契約発表会で、アルカラスは「なぜ自分がビッグ3と比較されるのかわからない」としながらも、“新ビッグ3”には自分の名も入れた。(C)Getty Images

 今月初旬の全米オープンでグランドスラム初優勝を飾るとともに、史上最年少での世界ランキング1位の座に就いた19歳のカルロス・アルカラス(スペイン)。まだティーンエイジャーとは思えないほどの凄まじい活躍ぶりを見せている彼は、すでにビッグ3(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)の後継者となるのではないか、とも囁かれている。

 もっとも、常に謙虚な姿勢でテニスに取り組む男子テニス界の超新星は、今週初めにスペイン・マドリードで行なわれたドイツの大手自動車メーカー「BMW」のスポンサー契約発表会で「なぜ自分がビッグ3と比較されるのかがわからない」と発言。「彼らは20年間トップに君臨していて、全てを手にしてきた」と偉大な3人のレジェンドの功績を称賛しつつ、「僕はまだこれからなんだ。自分の道を進みたいと思っている」とコメントした。

 一方でアルカラスは以前「フェデラー、ナダル、ジョコビッチの3人には刺激を受けている。彼らに追いつきたいし、グランドスラムで3人のうちの1人を倒したい」とも話していた。だが、先日ついに四大大会20勝を誇る41歳のフェデラーが引退を表明。間もなく開幕する男子テニス団体戦「レーバー・カップ」(9月23日~25日/イギリス・ロンドン/ハードコート)がラストマッチとなり、長年男子テニスを牽引してきたビッグ3の時代は終わりを告げようとしている。
 
 それを踏まえてある記者がアルカラスに「新たなビッグ3になるのは誰か?」と質問。この問いにアルカラスはほぼ同世代のヤニック・シナー(イタリア/11位/21歳)、現在右足首の大ケガでツアーを離れているアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/5位/25歳)の2人と、自身の名を挙げた。

 だがあくまでも自分のプレーの質を向上させたいと語るアルカラスは改めて「ビッグ3と比べるのは意味をなさない」と主張。「ビッグ3と自分を比べてみて思うのは、日々向上していかなければならないということだ。彼らは1日1日プレーが良くなっていった。それが僕の求めていることなんだ。これからも夢を持ち続け、グランドスラムや多くのトーナメントで優勝しなければならない」と今後もさらなる高みを目指す心構えを見せた。

 そのアルカラスは先週スペイン・バレンシアで行なわれたデビスカップのグループステージに参戦。現地9月18日に実施された韓国とのグループリーグ第3戦のシングルス第2試合でクォン・スンウ(74位)をストレートで破り、世界1位として初めてとなる勝利を挙げている。

文●中村光佑

【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録