海外テニス

6年ぶりの楽天OP制覇に向け好発進のキリオス「日本のファンは選手へのリスペクトに溢れている」と上機嫌<SMASH>

中村光佑

2022.10.05

わずか66分で楽天オープン初戦を突破したキリオス。親日家でもあり、日本のファンに楽しいテニスを見せたいと意欲的だ。写真:滝川敏之

 東京・有明テニスの森公園で現在開催中の「楽天ジャパンオープンテニス」(10月3日~9日/ハードコート/ATP500)は、10月4日にシングルス1回戦を実施。2016年大会覇者のニック・キリオス(オーストラリア/世界ランク20位)がツェン・チュンシン(台湾/同87位)に6-3、6-1のストレートで快勝し、2回戦へ駒を進めた。

 日本のファンからも絶大な人気を誇る男子テニス界のエンターテイナーが、圧巻のプレーで会場を沸かせた。ツアー初顔合わせとなった21歳のツェンを相手に持ち前の強烈なサービスと3球目攻撃で効率良くポイントを積み重ね、随所で巧みなラケットタッチも披露。第5ゲームから3ゲームを連取して幸先よく第1セットを先取する。

 続く第2セットもキリオスの独壇場となる。ツェンの2ndサービスに対しては何度もポジションを上げてプレッシャーをかけ、ダブルフォールトを誘うことに成功。前後の揺さぶりにも冷静に対応して終始相手に流れを渡さず、文句なしの勝利を収めた。

 18年大会以来4年ぶりとなる楽天出場となったキリオスは、大の親日家としても知られている。10月2日に行なわれたATPサンデー(公開練習)の直前には、共に単複で今大会に出場している同胞の後輩タナシ・コキナキス(91位)やガールフレンドのコスティーン・ハッツィさんと浅草観光を楽しむ様子を自身の公式インスタグラムでアップし、大きな反響を呼んでいた。
 
 オンコートインタビューでも「日本でプレーするのはいつも楽しみ。日本のファンは選手へのリスペクトに溢れているし、良いテニスをするとそれを心から楽しんでくれる」と語ったキリオス。「本当に堅実なプレーができたよ」と素直に初戦突破を喜んだ。

 ただベスト8入りを果たした9月初旬の全米オープン以来の実戦となったため、「感覚を取り戻すのが難しかった」そうだ。また「湿気のせいか息苦しかった」とも振り返ったが、今大会のコートコンディション自体は「自分によく合っている」と言う。

「通常のハードコートの大会に比べれば明らかに球足が速いが、そのことについて不満はない。ビッグサーバーや早いタイミングでボールを捉えるのが好きな選手、またフラットなバックハンドを打てる選手はフィットすると思う」

 最後には「アグレッシブに攻撃してネットを突き、ビッグサーブを打てるのは見ていて楽しいテニスだ。ファンが見たいのは、そういうテニスだと思う」と話し、次戦以降もコートの特性を生かしたプレーを見せたいと意気込んだ。

 2回戦では世界121位のカミール・マイクシャク(ポーランド)と対戦するキリオス。6年ぶりとなる日本でのタイトル獲得へ向け、さらなる勝ち上がりに期待したいところだ。

文●中村光佑

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