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海外テニス

元世界8位シュワルツマンがツアープレーヤーのつらい心の内を吐露「精神的に不安になることが多かった」<SMASH>

中村光佑

2022.10.17

今季は2大会で準優勝している現在19位のシュワルツマン。(C)Getty Images

今季は2大会で準優勝している現在19位のシュワルツマン。(C)Getty Images

 2020年の全仏オープンテニスでグランドスラム初のベスト4入りを果たし、同年10月には自身初のトップ10入りを達成したディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/現世界ランク19位)。だが今季の彼は2月のアルゼンチン・オープンとリオ・オープンの2大会で準優勝を収めて以降、現在のランキングに見合うような成績を残せず、グランドスラムでも早期敗退が目立った。

 そんなシュワルツマンは先日母国アルゼンチンのラジオFM『Urbana Play』のインタビューに応じ、「今シーズンは精神的に不安になることが多かった。ローランギャロス(全仏)でベスト4に進出してから、ATP500の大会で準々決勝に進出するというのが、物事がうまくいっているのかそうでないのか100%わからないほどだった」と告白。

「テニスも他のスポーツと同じようにそういう状態に陥ってしまうことがある。テニスは感情の変化がとても早い」と頭の中では認識しながらも、ツアーで結果を残し続けなければならないという大きなプレッシャーにうちのめされ、メンタルヘルスの不調を抱えていたと明かした。どうやら「悪いことが起こると人は今何が起こっているのかについて分析する力を失ってしまう」状態に陥ってしまっていたようだ。
 
 それでも現在は苦境に立たされるなかで自分とどう向き合っていくのか、解決策を見出し始めていると言う。決勝へ勝ち進んだ大会もあったことを踏まえ、「今年は世界14位でスタートして、今も20位以内にいる。『なんてクソみたいな年だ』と自分で言ってみるが、冷静に考えるとそんなことはない。一番いいのは短期間の目標を立て、少しずつ前に進んでいくことだ」ともコメントした。

 ただ自分だけの力では乗り越えられないと感じたシュワルツマンは「今年からある心理学者と共に自分に起こる全てのことに対するセラピーを始めた」と打ち明けた。「初めてそれを取り入れたのは、解決するための他の手段を持つために、少し外部の助けが必要だと思った」と説明した30歳は「コート上だけでなく、生活の中での恐れや不安、そして日常で起こる当たり前のこと」を対象としたマインドコントロールのトレーニングを行なっていると話した。

 今週行なわれる男子テニスツアー「ヨーロピアン・オープン」(10月17日~23日/インドアハード/ATP250)に第3シードで出場予定のシュワルツマン。セラピストの温かいサポートを背に、アグレッシブなテニスでファンを魅了し続けてきた“小さな巨人”の再起に期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】シュワルツマンら、全仏オープン2022で活躍した男子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!

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