専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

世界5位チチパスを指導する父親が語る未来「この旅は息子と私、もう1人のコーチと3人でやっていく」<SMASH>

中村光佑

2022.10.23

父アポストロス(左)との二人三脚で現在の地位を築いた世界5位のチチパス(右)。(C)Getty Images

父アポストロス(左)との二人三脚で現在の地位を築いた世界5位のチチパス(右)。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク5位のステファノス・チチパス(ギリシャ)の父親で同選手のコーチを務めるアポストロス・チチパス氏がテニスデータ分析サイト『Tennisology』のインタビューに応じ、父親と指導者であることを両立する難しさやコーチとして息子を見守り続ける理由について語った。

 昨年6月の全仏オープンで準優勝を収め、四大大会に次ぐマスターズでも2度のタイトルを獲得しているチチパス。アポストロス氏はプロ選手としての経験がないにもかかわらず、ツアー通算9勝を誇る24歳の息子をプレー面でもメンタルの面でも常に支え続けてきた。

 だが1つのシーズンで数多くの大会に出場し、結果を残し続けなければならない過酷なプロツアーを戦う上で、どうしても調子の悪い時期は出てくるものだ。そう認識しつつも、アポストロス氏は父親であるが故に「彼(チチパス)が不調に陥ると、どうしても複雑な気持ちになってしまう」と言う。

 続けて「時には『どうして私が(ツアーで)息子を引き連れているのだろう』と、自問自答したくなることもある」とも告白。やはり立場上感情のコントロールが難しいと感じることがあるようだ。それでもアポストロス氏は「彼がテニス界で勝ち続け、記録を打ち立てようとするならば、これに対処しなければならない。それは普通のことだし、人生は浮き沈みがあるものだ」と受け入れている。

 一方、ここ最近のチチパスは現在師事している元世界8位のマーク・フィリポーシス氏をはじめ、父親だけではなく別のコーチからもサポートを受けてみたいという姿勢も見せている。これを踏まえてインタビュワーがアポストロス氏に「今後自分が身を引いて、他のコーチに息子を任せる可能性はあるか」と質問。これに対して同氏はこう回答した。
 
「まだ全ての目標を達成したわけではない。何人かのコーチを招いたことがあるが、誰が来ても、この旅は息子と私、もう1人のコーチと3人でやっていくことだとわかってもらわなければならない。息子のことはよく理解している。私は彼がどう考えているのか、何を言えば彼のモチベーションを上げられるのか、よくわかっているつもりだ。

 たった一言で、選手のプレーが変わることもある。他のコーチがその言葉を見つけて、彼に正しい意味を伝えられるかどうかはわからない。しかし、私たちのチームは私一人のものではない。ステファノスが常に勝利のために戦えるように、私たちの背後には素晴らしい人たちがいる」

 なお今週行なわれている男子テニスツアー「ストックホルム・オープン」(10月17日~23日/スウェーデン・ストックホルム/インドアハードコート/ATP250)に第1シードで出場中のチチパスは現地10月22日に行なわれたシングルス準決勝で世界52位のエミル・ルースブオリ(フィンランド)に6-2、6-2のストレートで勝利。今季ツアー3勝目を懸け、決勝では第7シードのオルガー・ルネ(デンマーク/27位)と対戦する。

文●中村光佑

【写真】チチパスが準優勝した全仏オープン2021の男子選手厳選PHOTO!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号