男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル（スペイン／現世界ランク２位）を長年サポートしている医師のアンヘル・ルイス・コトロ氏がスペインのニュースメディア『El COMERCIO』のインタビューに応じ、先日父親となったばかりのレジェンドの現状について語った。

　スペインテニス協会で医療サービス部門の責任者を務めるコトロ氏は、長きにわたってナダルの治療を担当してきたことで知られている。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、同氏は今年６月の全仏オープンでもナダルに帯同。慢性的な疾患を抱えている左足に注射を打って神経を麻痺させた状態で試合に臨んだ36歳が、グランドスラム22度目の栄冠を手にする“影の立役者”となった人物でもある。

　現地10月８日に妻のマリア・フランシスカ・ペレロさんが元気な男の子を出産したことが大々的に報じられたナダルは、９月のレーバー・カップで現役を引退した盟友のロジャー・フェデラー（スイス）とのペアでダブルスに出場して以降、トーナメントでプレーしていない。

　現時点では10月31日から開催される「ロレックス・パリ・マスターズ」（フランス・パリ／ハードコート／ATP1000）にエントリーしているが、しばらくは家族で過ごすことも予想されるため、ツアー復帰の時期は不透明だ。場合によってはすでに出場権を獲得しているシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」（11月13日～20日／イタリア・トリノ／ハードコート）の欠場を表明する可能性も否定できない。
  　そんななか、コトロ氏は今回のインタビューでナダルの近況について「全ては計画通りに進んでいる」とコメント。「ラファは元気で、父親になったことをうれしく思っている。彼はシーズン終盤のスケジュールに従いながら、順調にトレーニングを続けている」とも明かした。

　またコトロ氏は、ナダルが36歳となったいまなお世界のトップに君臨できている理由についても言及した。

「彼の成功の秘訣はたゆまぬ努力とスポーツへの情熱、日々向上しようとする姿勢、そして優れた身体能力とテニスの素質にある。彼はテニス界で歴史的な選手であり、彼は我々に喜びを与え続けてくれている」

　どんなボールにも食らいつく粘り強いプレーでファンを魅了し続けてきたナダル。幸せな家庭を築きながら、まだまだこの先も活躍する姿を見せてほしい。

文●中村光佑

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