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国内テニス

全日本選手権、今季で引退を表明している第9シードの今西美晴が接戦を制して3回戦に進出「ファイトして感謝の気持ちを表したい」<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2022.10.24

粘り強くボールを返球していった今西美晴。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

粘り強くボールを返球していった今西美晴。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 テニスの日本チャンピオンを決める「大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th」が10月24日に大会3日目を迎えた。昨年はブルボンビーンズドーム(兵庫)で行なわれたが、有明コロシアムおよび有明インドアコート(東京)に会場を戻し、3年ぶりに有観客で開催。この日は男女シングルス2回戦のうち各々8試合が実施された。

 2回戦からはシード勢が登場。今季限りでの引退を表明している第9シードの今西美晴は、コロシアムの第3試合に組まれ、山口芽生と対戦し、6-3、7-6で3回戦に駒を進めた。

 今西は2017年の全日本覇者で準優勝も2度経験している。出場回数も今回が11回目と、全日本の戦い方をわかっている選手だ。

 2回戦の相手は23歳の山口芽生。「山口選手とは国体でも対戦し、マッチポイントを取ったところから負けていたので、最後までしっかり自分からポイントを取りに行こうと意識して入りました」と気を引き締めて入った今西は、第1ゲームをブレークする良い滑り出しを見せる。

 3-1の相手のサービスゲームでは何度もデュースが繰り返されたが、今西がカウンターを決め、山口のミスも加わって2度目のブレークに成功。5-2のゲームでブレークバックされるが、次のゲームで再びブレークし、第1セットを6-3で奪った。
 第1セット後にメディカルタイムアウトを取った山口だったが、力強いショットを打ち込んでくる。今西は粘って返球するも、山口の攻撃力が上回り1-4とリードを許す。鋭い切り返しで対抗していく今西がブレークを返し4-4に追いついた。競った試合はタイブレークへ突入し、安定感で勝る今西が制して勝利を手に入れた。

 勝ったものの、試合後には「タイブレークで、もっといかないといけないところで、いけていないのが反省点です」と振り返る。そして、「最後なのに反省点ばかり」と笑っていた。

 最後の全日本については「皆さんに『最後は楽しめ』とか『最後はうまくいかないから』とか言われていて、確かに昨日のダブルスもめちゃくちゃ緊張しました。もちろんコートに立ったら負けづ嫌いなので優勝はしたいですが、それよりも1ポイント1ポイントファイトして、感謝の気持ちを表せたらなと思っています」。今日の試合も、そんな思いが伝わってくるようなプレーだった。

 勝った今西は3回戦で、第7シードの加治遥と対戦する。最後の全日本選手権をどこまで勝ち上がるのか、見守っていきたい。

◆女子シングルス2回戦の結果(10月24日)
坂詰姫野(橋本総業ホールディングス)① 6-2 6-2 照井妃奈(筑波大学)[LL]
鮎川真奈(エームサービス)⑪ 6-7(4) 7-5 7-5今田穂(慶應義塾大学)[WC]
西郷里奈(TEAM 自由が丘)⑥ 6-1 6-2 西本聖良(姫路大学)[Q]
瀬間詠里花(橋本総業ホールディングス)➂ 7-6(1) 6-4 川岸七菜(フリー)
伊藤あおい(サリュートテニス専門)⑮ 6-1 6-1 渡邉優夢(早稲田大学)[WC]
今西美晴(EMシステムズ)⑨ 6-3 7-6(7) 山口芽生(フリー)
加治遥(島津製作所)⑦ 6-3 6-0 倉持美穂(マサスポーツシステム)
佐藤南帆(慶應義塾大学)⑧ 6-4 6-3 リュー理沙マリー(フリー)

※丸数字はシード、[Q]は予選勝者、[WC]はワイルドカード、[LL]はラッキールーザー

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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