男子テニス世界ランキング14位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア)が母国の大手スポーツ紙『Corriere dello Sport』のインタビューに登場。今やファンとの交流に欠かせないSNSについて「残酷な一面がある」と私見を述べた。
普段はソーシャルメディアを利用するも、「それほど使う頻度は多くない」という26歳のベレッティーニ。一方で「SNS上の様々な投稿やファンからのメッセージには定期的に目を通している」と明かす彼は「ソーシャルメディアには時に嫌な気分になってしまう内容もある」と告白。どうやら同じツアーで戦っている仲間や自身に対する誹謗中傷を目にすることもあるようだ。
今回のインタビューで「一番びっくりしているのは、投稿されているその内容の悪質さだ」と話したベレッティーニはこう続けた。
「どうして他人に対してそんなふうに怒りをぶつけることができるのだろうと思ってしまう。まるで我々が完璧な機械であることを望んでいるかのようにね。うまくいって勝つことができればまだ良いのだが、負ければ完全に見放されてしまうような感性の欠如も見られる。そういうのを見ると悲しい気持ちになってしまう。一晩寝れば気持ちは落ち着くけど、テニスがそのような形でアプローチされることがあるのは残念に思う」
ここ最近のSNSの急速な普及により、男女を問わず選手が心ない言葉を浴びてしまうケースが増えている。とりわけ昨年9月の全米オープンでは選手への誹謗中傷が大きく取り沙汰された。
女子シングルス4回戦でシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)が当時18歳だったエマ・ラドゥカヌ(イギリス)に敗れた直後に「今日負けたことで、(SNSで)900万人から死の脅迫メッセージが寄せられるだろう」とコメント。
さらに同大会の3回戦でアンジェリーク・ケルバー(ドイツ)に逆転で敗れた同郷のスローン・スティーブンス(アメリカ)も、自身のインスタグラムのストーリーで試合終了後に2000件を超える侮辱的なメッセージを受け取ったと明かしていた。
こうした事態を受けて同年10月に行なわれた男女共催のBNPパリバ・オープンではFBI(米国連邦捜査局)が誹謗中傷の対策強化に関与したことは記憶に新しい。
ちなみに選手に向けられる誹謗中傷はその大半が賭博絡みであることが非常に多い。人種や性別に根差した罵詈雑言が飛び交うケースもあるにもかかわらず、今なお状況は改善されないままだ。プレーヤーのメンタルヘルスを守るためにも、テニス界全体でさらなる対策強化を図るべきだろう。
文●中村光佑
【PHOTO】なかなか見られないベレッティーニらトッププロの練習やテニス教室の様子
普段はソーシャルメディアを利用するも、「それほど使う頻度は多くない」という26歳のベレッティーニ。一方で「SNS上の様々な投稿やファンからのメッセージには定期的に目を通している」と明かす彼は「ソーシャルメディアには時に嫌な気分になってしまう内容もある」と告白。どうやら同じツアーで戦っている仲間や自身に対する誹謗中傷を目にすることもあるようだ。
今回のインタビューで「一番びっくりしているのは、投稿されているその内容の悪質さだ」と話したベレッティーニはこう続けた。
「どうして他人に対してそんなふうに怒りをぶつけることができるのだろうと思ってしまう。まるで我々が完璧な機械であることを望んでいるかのようにね。うまくいって勝つことができればまだ良いのだが、負ければ完全に見放されてしまうような感性の欠如も見られる。そういうのを見ると悲しい気持ちになってしまう。一晩寝れば気持ちは落ち着くけど、テニスがそのような形でアプローチされることがあるのは残念に思う」
ここ最近のSNSの急速な普及により、男女を問わず選手が心ない言葉を浴びてしまうケースが増えている。とりわけ昨年9月の全米オープンでは選手への誹謗中傷が大きく取り沙汰された。
女子シングルス4回戦でシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)が当時18歳だったエマ・ラドゥカヌ(イギリス)に敗れた直後に「今日負けたことで、(SNSで)900万人から死の脅迫メッセージが寄せられるだろう」とコメント。
さらに同大会の3回戦でアンジェリーク・ケルバー(ドイツ)に逆転で敗れた同郷のスローン・スティーブンス(アメリカ)も、自身のインスタグラムのストーリーで試合終了後に2000件を超える侮辱的なメッセージを受け取ったと明かしていた。
こうした事態を受けて同年10月に行なわれた男女共催のBNPパリバ・オープンではFBI(米国連邦捜査局)が誹謗中傷の対策強化に関与したことは記憶に新しい。
ちなみに選手に向けられる誹謗中傷はその大半が賭博絡みであることが非常に多い。人種や性別に根差した罵詈雑言が飛び交うケースもあるにもかかわらず、今なお状況は改善されないままだ。プレーヤーのメンタルヘルスを守るためにも、テニス界全体でさらなる対策強化を図るべきだろう。
文●中村光佑
【PHOTO】なかなか見られないベレッティーニらトッププロの練習やテニス教室の様子