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世界1位のまま突如引退したバーティーはなぜ決意したのか?「内なる炎が消えてしまった」大会とは<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.10.30

最近はテニスラケットをゴルフクラブに持ち替え、変わらぬ活躍を見せている。(C)Getty images

 世界ランクの頂点に君臨しながら、今年3月に突如として現役引退を表明したアシュリー・バーティー(オーストラリア)が、引退を決断するきっかけとなった出来事について言及した。

 自身の伝記『My Dream Time』の発売に先立ち、米メディア『ニューズ・コープ』の取材に答えたバーティー。今年1月の全豪オープンで、地元勢として44年ぶりの優勝を果たしたわずか2カ月後の引退となったが、その直接のきっかけとなったのは2021年ウインブルドンでの優勝だという。

 2019年の全仏オープン以来、2度目のグランドスラムタイトルとなったこの大会の決勝では、第1シードのバーティーが第8シードのカロリーナ・プリスコワ(チェコ)に6-3、6-7(4-7)、6-3のフルセットで勝利した。

 試合の前日には寝られないほどのプレッシャーを感じていたというバーティーだが、優勝を決めた直後に「内なる炎が消えてしまった」と明かす。
 
「ウインブルドンでの優勝は、私がキャリア全体で臨んでいた唯一のものだった。その後は何のためにプレーしているのかわからなくなってしまい、もうダメなんだと感じました」

 とはいえ、その後も東京オリンピックのミックスダブルスで銅メダルを獲得。シンシナティやアデレードでのタイトル、前述の全豪オープンでは失セット0の圧巻の優勝劇を披露した。テニスへの意欲を欠きながらも変わらぬ強さを発揮したが、それでも今後再びプロテニスへ復帰する可能性は極めて低いという。

「この6~7か月は私が望んでいたすべてでした。テニス界から離れたいわけではないけど、とにかく今の生活が好きなのよ」

 引退後はブリスベンで開催されたアマチュアゴルフ大会に参戦したり、長年の恋人であったギャリー・キシック氏との結婚式を挙げるなどプライベートを楽しんでいるバーティー。今後は思いきりセカンドライフを謳歌するつもりのようだ。

構成●スマッシュ編集部
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