海外テニス

世界1位のアルカラスが全治6週間の脇腹のケガで今季終了を発表「今は前を向いて回復に専念するしかない」<SMASH>

中村光佑

2022.11.06

パリ・マスターズの準々決勝で治療を受けるアルカラス。この試合を途中棄権し、ATPファイナルズとデ杯も欠場することになった。(C)Getty Images

 現地11月5日、男子テニス世界王者のカルロス・アルカラス(スペイン/19歳)が自身のSNS(@carlosalcaraz)を更新。左脇腹負傷により、出場権を獲得していたシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月13日~20日/イタリア・トリノ/ハードコート)の欠場を正式に発表した。なおアルカラスの代役として世界ランク11位のテイラー・フリッツ(アメリカ)が最終戦に出場することとなった。

 第1シードで出場した現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月31日~11月6日/フランス・パリ/インドアハードコート/ATP1000)でベスト8へと進出したアルカラスは、現地11月4日に実施された準々決勝で自身と同じく19歳のホルガー・ルネ(デンマーク/18位)と対戦。第1セットを3-6で落として迎えた第2セットの第11ゲーム終了時に左脇腹の痛みを訴えてメディカルタイムアウトを要求し、同箇所の応急処置を施してプレーを続行するも、タイブレークで1-3とリードを許したところで途中棄権を表明。ATPファイナルズの出場に黄色信号が灯っていた。

 準々決勝後の会見では「今は腹部のコンディションを整えてトリノ(最終戦)で100%の力を発揮できるように集中していく」と前向きに話していたアルカラスだったが、今回の投稿では「昨日棄権した後、僕のメディカルチームによる診断を受けた結果、左脇腹の内腹斜筋断裂が判明し、回復には推定6週間かかるとのことです。残念ながらATPファイナルズとデビスカップファイナルズ(国別対抗戦)の出場は見送ることになりました」とシーズン終了を報告。
 
「自分にとって大切なこの2つの大会を欠場するのはつらく苦しいことです」と複雑な胸の内を明かしながらも、最後には応援してくれているファンへ向けて「今は前を向いて回復に専念することしかできません。いつも応援ありがとうございます」と感謝の言葉を綴った。

 今年9月の全米オープンで悲願のグランドスラム初優勝を飾り、同大会終了後に更新された世界ランキングでは最年少で1位の座に就いたアルカラス。今季は他にも3月のマイアミ・オープンと5月のマドリード・オープンのマスターズ2大会でタイトルを獲得するなど、ファンも目を見張るほどの凄まじい成績を残した。

 だが幾多の激闘を戦ってきたことで身体は悲鳴を上げていたようだ。まだまだキャリアは長いからこそ、ここで無理をしないのは賢明な判断だろう。とにかく1日も早い回復を祈るばかりだ。

文●中村光佑

【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録
 
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【画像】ケガの概要と最終戦&デ杯欠場を報告したアルカラスのツイッター