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激動のシーズンを送った世界1位シフィオンテクが最終戦で準決勝敗退「最後まで良いプレーができたことを誇りに思う」<SMASH>

中村光佑

2022.11.08

フルセットの末に準決勝敗退となったシフィオンテク。来シーズンの活躍も期待したい。(C)Getty Images

 現在開催中の女子テニスシーズン最終戦「WTAファイナルズ」(10月31日~11月7日/アメリカ・フォートワース/ハードコート)は現地11月6日にシングルス準決勝が行なわれ、世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が登場。同7位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)に2-6、 6-2、1-6のフルセットで敗れ、決勝進出を逃した。試合後に出席した記者会見で、シフィオンテクはシーズン終了を正式に発表した。

 年間の獲得ポイントで上位8人のみが出場する本大会。4名ずつに分かれて行なわれたラウンドロビン(グループリーグ)で3連勝を飾り、文句なしで決勝ラウンド進出を決めたシフィオンテクは迎えた準決勝で、過去4勝0敗と相性が良いサバレンカとの顔合わせとなった。

 しかし、試合序盤からサービスゲームで精彩を欠いたシフィオンテクは、3度のブレークを許して第1セットを落としてしまう。第2セットでは、自身が3つのブレークを奪ってセットオールに持ち込むも、勝負のファイナルセットで思うようにポイントが取れず、第3ゲームから5ゲーム連取を許して準決勝敗退となった。
 
 それでも今季のシフィオンテクは、グランドスラム2度の優勝(全仏と全米)を飾り、一時は2000年以降で女子テニス史上最多となる公式戦37連勝もマークするなど、非常に充実したシーズンを送った。

 自身でも「今季の私にはクレイジーなことが起こった。こういうのは私のキャリアでずっと残るものだし、同時にそれは私の誇りでもある。今日は負けてしまったけど、今は今季成し遂げたことの余韻に浸ろうと思っている。非常に激しいシーズンだったけど、最後まで良いプレーができたことを誇りに思う」と満足気に振り返る。

 だが、幾多の試合を戦い抜いて数々の成功を収めたことにより、「逆にモチベーションをフルに上げながら、一戦一戦に臨まなければいけないというのが、かなり辛かった」と告白。スケジュールへの不満を理由に、間もなく開幕する「ビリー・ジーン・キング・カップ」(11月8日~13日/イギリス・グラスゴー/ハードコート/女子国別対抗戦)の欠場を表明している21歳の世界女王だが、「シーズン終了の瞬間を待っていたというのが正直なところ」とも話し、オフシーズンでしっかり休息をとることを心掛けていきたいと明かした。

「本当にリラックスしようと思う。毎週毎週プレーすることに脳が慣れてしまうと難しいことではあるけど、昨年と同じようにちゃんと回復できるように努めていきたい。徐々にトレーニングを再開して、その後からいくつか練習を始めることになるかな。練習に集中することは大切だけど、同時にオフシーズンはいつもなら、かなりの疲れが出る時期でもある。だから華美なことをしようとは考えていない」

 来季もさらなる活躍が期待されるシフィオンテク。まずは心身をリフレッシュし、新シーズン開幕に備えてほしい。

文●中村光佑

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