男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現世界ランク2位)の叔父で元コーチのトニ・ナダル氏が欧米スポーツメディア『Eurosport』のインタビューに登場。そのなかで数々の偉業を成し遂げてきた甥が毎年11月に開催されるシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」でいまだにタイトルを獲得できていない理由を分析した。
今年6月の全仏オープンでグランドスラム22度目の優勝を成し遂げるなど、キャリアを通じて驚異的な強さを見せてきた36歳のナダル。ところがなぜか最終戦では本来の力を発揮できないことが多く、2010年、13年大会の準優勝が最高成績となっている。ちなみに先週イタリア・トリノで行なわれたファイナルズでもラウンドロビン(グループリーグ)で1勝2敗に終わり、決勝ラウンド進出を逃した。
全ての試合に全力で臨むことを心掛けているナダルは、以前からシーズン終盤に失速する傾向はあると言える。だがトニ氏によれば甥が最終戦で思うような結果を残せない原因はフィジカルコンディションではなく、「グランドスラムとは異なるファイナルズならではのフォーマットが関係している」という。これについて同氏は次のように説明した。
「(最終戦は)とても難しい舞台だ。グランドスラムでは(強豪と当たる前に)何度かすでに試合をした状態だから、同じような問題は起こらない。グランドスラムで1週目を勝ち抜くことができれば、2週目は数試合をこなしたことで勢いがついているから優勝の可能性は高くなる。例えば、彼が全豪オープンでプレーした時、最初の試合と2試合目はあまり良くなく、3試合目も同じ感じだった。その後からどんどん良くなっていった」
「だがファイナルズは最初の試合から世界最高の選手の一人と対戦し、その後も同じような感じで(レベル的に)あまりにも難しい。だからグランドスラムと同じようにはいかないものなんだ」
条件はどの選手も一緒とはいえ、試合を戦うなかで修正を行ない、調子を上げていくタイプのナダルには、ファイナルズは適応しづらいということだろう。
持ち前の強靭な精神力で幾多の試練を乗り越えてきたナダルだが、自身の年齢や多くの有望な若手プレーヤーが台頭している現状を踏まえれば、最終戦での優勝はより厳しくなってくるだろう。それでも来年こそはあの大きなトロフィーを掲げる姿を見せてもらいたいものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】ナダルが22度目のGS制覇! 全仏オープン2022で活躍した男子選手たちの厳選写真!
今年6月の全仏オープンでグランドスラム22度目の優勝を成し遂げるなど、キャリアを通じて驚異的な強さを見せてきた36歳のナダル。ところがなぜか最終戦では本来の力を発揮できないことが多く、2010年、13年大会の準優勝が最高成績となっている。ちなみに先週イタリア・トリノで行なわれたファイナルズでもラウンドロビン(グループリーグ)で1勝2敗に終わり、決勝ラウンド進出を逃した。
全ての試合に全力で臨むことを心掛けているナダルは、以前からシーズン終盤に失速する傾向はあると言える。だがトニ氏によれば甥が最終戦で思うような結果を残せない原因はフィジカルコンディションではなく、「グランドスラムとは異なるファイナルズならではのフォーマットが関係している」という。これについて同氏は次のように説明した。
「(最終戦は)とても難しい舞台だ。グランドスラムでは(強豪と当たる前に)何度かすでに試合をした状態だから、同じような問題は起こらない。グランドスラムで1週目を勝ち抜くことができれば、2週目は数試合をこなしたことで勢いがついているから優勝の可能性は高くなる。例えば、彼が全豪オープンでプレーした時、最初の試合と2試合目はあまり良くなく、3試合目も同じ感じだった。その後からどんどん良くなっていった」
「だがファイナルズは最初の試合から世界最高の選手の一人と対戦し、その後も同じような感じで(レベル的に)あまりにも難しい。だからグランドスラムと同じようにはいかないものなんだ」
条件はどの選手も一緒とはいえ、試合を戦うなかで修正を行ない、調子を上げていくタイプのナダルには、ファイナルズは適応しづらいということだろう。
持ち前の強靭な精神力で幾多の試練を乗り越えてきたナダルだが、自身の年齢や多くの有望な若手プレーヤーが台頭している現状を踏まえれば、最終戦での優勝はより厳しくなってくるだろう。それでも来年こそはあの大きなトロフィーを掲げる姿を見せてもらいたいものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】ナダルが22度目のGS制覇! 全仏オープン2022で活躍した男子選手たちの厳選写真!