男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(11月13日~20日/イタリア・トリノ/ハードコート)は現地11月20日にシングルス決勝を実施。第7シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク8位)が、第3シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同4位)を7-5、6-3で下し、同大会7年ぶりの優勝を飾った。
年間の獲得ポイントで上位8人のみが出場する本大会。4名ずつに分かれて行なわれたラウンドロビン(グループリーグ)で3連勝を飾り、文句なしで決勝ラウンド進出を決めた35歳のジョコビッチは、現地11月19日に実施された準決勝で、第8シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/9位)をストレートで撃破。2015年大会以来となるファイナルズ制覇に王手をかけていた。
そして、この日の優勝決定戦でも過去3勝0敗と負けなしのルードを相手にジョコビッチが抜群の安定感を発揮する。
互いにサービスキープを続けて迎えた第12ゲームで、値千金のブレークを奪って第1セットを先取すると、第2セットでも攻めのストロークと精度の高いサービスを軸に1度もブレークポイントを与えない完璧なプレーを披露。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第9ゲームをしっかりとキープし、1時間34分で勝利を収めた。
今年9月に現役を引退した元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス)に並ぶ最多タイ6度目のファイナルズ優勝を手にしたジョコビッチは、オンコートインタビューで初めに「ルードのサービスも素晴らしかった。決勝はいつも接戦になる。僕は第1セットの第12ゲームでやっとブレークができた」と決勝戦を振り返った。
「ナーバスになる場面も多かったけど、試合を通して集中できていたし、自分のパフォーマンスには満足しているよ。この7年間は長かったけど、同時に7年間待ったという事実が、この勝利をより大きなものにしている」と久々の最終戦でのタイトル獲得を大いに喜んだ。
その直後に行なわれた表彰式では、「僕の家族もチームメンバーも今日だけではなくずっと支えてくれているし、一緒に戦ってくれて本当に感謝している。このトロフィーは僕のものだけではなく、みんなのものだ」といつも支えてくれている人々へ向けて感謝のコメント。
最後には、得意のイタリア語でもスピーチを行なったジョコビッチ。観客からの大きな歓声と拍手を浴びながら、「皆さん、応援ありがとう。トリノでの優勝は本当に嬉しい。イタリアに来ることを毎回楽しみにしている」と声援を送ってくれたファンへの謝意を示した。
一方、あと一歩のところでファイナルズ初優勝を逃したルードは、「ノバク、優勝おめでとう。あなたのチームにもお祝いを言いたいと思う。大変シーズンだったと思うけど、それを乗り越えてあなたは素晴らしいプレーを見せた。本当に強かった」と素直に勝者のジョコビッチを祝福した。
今季は、1月のオーストラリア入国騒動をはじめ数々の試練に見舞われたからこそ、ジョコビッチにとっても、ひときわ大きな意味を持つ優勝となったことだろう。まだまだこの先も持ち前の鉄人級の強さを見せ続けてほしい。
文●中村光佑
【PHOTO】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり
年間の獲得ポイントで上位8人のみが出場する本大会。4名ずつに分かれて行なわれたラウンドロビン(グループリーグ)で3連勝を飾り、文句なしで決勝ラウンド進出を決めた35歳のジョコビッチは、現地11月19日に実施された準決勝で、第8シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/9位)をストレートで撃破。2015年大会以来となるファイナルズ制覇に王手をかけていた。
そして、この日の優勝決定戦でも過去3勝0敗と負けなしのルードを相手にジョコビッチが抜群の安定感を発揮する。
互いにサービスキープを続けて迎えた第12ゲームで、値千金のブレークを奪って第1セットを先取すると、第2セットでも攻めのストロークと精度の高いサービスを軸に1度もブレークポイントを与えない完璧なプレーを披露。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第9ゲームをしっかりとキープし、1時間34分で勝利を収めた。
今年9月に現役を引退した元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス)に並ぶ最多タイ6度目のファイナルズ優勝を手にしたジョコビッチは、オンコートインタビューで初めに「ルードのサービスも素晴らしかった。決勝はいつも接戦になる。僕は第1セットの第12ゲームでやっとブレークができた」と決勝戦を振り返った。
「ナーバスになる場面も多かったけど、試合を通して集中できていたし、自分のパフォーマンスには満足しているよ。この7年間は長かったけど、同時に7年間待ったという事実が、この勝利をより大きなものにしている」と久々の最終戦でのタイトル獲得を大いに喜んだ。
その直後に行なわれた表彰式では、「僕の家族もチームメンバーも今日だけではなくずっと支えてくれているし、一緒に戦ってくれて本当に感謝している。このトロフィーは僕のものだけではなく、みんなのものだ」といつも支えてくれている人々へ向けて感謝のコメント。
最後には、得意のイタリア語でもスピーチを行なったジョコビッチ。観客からの大きな歓声と拍手を浴びながら、「皆さん、応援ありがとう。トリノでの優勝は本当に嬉しい。イタリアに来ることを毎回楽しみにしている」と声援を送ってくれたファンへの謝意を示した。
一方、あと一歩のところでファイナルズ初優勝を逃したルードは、「ノバク、優勝おめでとう。あなたのチームにもお祝いを言いたいと思う。大変シーズンだったと思うけど、それを乗り越えてあなたは素晴らしいプレーを見せた。本当に強かった」と素直に勝者のジョコビッチを祝福した。
今季は、1月のオーストラリア入国騒動をはじめ数々の試練に見舞われたからこそ、ジョコビッチにとっても、ひときわ大きな意味を持つ優勝となったことだろう。まだまだこの先も持ち前の鉄人級の強さを見せ続けてほしい。
文●中村光佑
【PHOTO】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり