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レッスン

【歴代好サーバーに学ぶ】クイックでレフティの優位性。稀代のエース王、イバニセビッチのフラットサービス<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.11.26

前に体重移動しながら、腰をクッと突き出してひねり込む(2コマ目)。このヒップローテーションがイバニセビッチの高速サービスの鍵だ。写真:スマッシュ写真部

前に体重移動しながら、腰をクッと突き出してひねり込む(2コマ目)。このヒップローテーションがイバニセビッチの高速サービスの鍵だ。写真:スマッシュ写真部

 過去から現在まで、テニス界には数多くのグッドサーバーが存在した。彼らが超高速フラットを打てたり、鋭い回転をかけられたポイントは何か? このシリーズでは、そこから一般愛好家が“イイトコ取り”して憧れのサービスに近付く方法を、元ナショナルコーチの丸山薫氏が解説する。第4回はゴラン・イバニセビッチのフラットサービスを解剖!

  *  *  *

 イバニセビッチといえば強烈なフラットサービスが何より印象に残っていますが、彼がエースを量産できたのは、スピードだけでなく色んな要素が絡んでいます。相手がリターンのリズムを取りづらいクイックモーションであったこと。長身に加えレフティであり、角度のあるサービスが打てたこと、などです。

 特に相手のバック側に切れていくスライスサービスは有効で、これがあるからセンターへの高速フラットがより生きました。

 フラットでスピードが出せた要因としては、体重移動とヒップローテーションが挙げられます。イバニセビッチは体重移動がとてもうまい選手でした。
 
 足幅を広く取って構え(写真1コマ目)、後ろ足を前に寄せる「ピンポイントスタンス」を採用(2コマ目)。そうやって体重を前に移しながら、トロフィーポーズで腰を前に突き出してひねり込む「ヒップローテーション」を行なっています。

 身体を「く」の字にしならせて股関節にパワーをため込み、インパクトに向けてそれを解放して力強くぶつけていく。単に体重をダラーッと前に持っていくのではなく、途中でクッと止めることが重要で、それが2コマ目で腰を突き出した形なのです。ここで上体が前に流れないようにバランスを取っています。

 一般の愛好家は、体重移動するとそのまま上体が倒れてパワーロスしがちなので、この形を意識しましょう。

【プロフィール】ゴラン・イバニセビッチ/Goran Ivanisevic(CRO)
1971年生まれ。グランドスラム通算1勝。90年代を代表するビッグサーバー。92~2001年の10年間で6度サービスエース王に輝き、96年に記録した1477本は今なお歴代最多記録となっている。

解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集

【連続写真】エースの年間最多記録を持つイバニセビッチのフラットサービス
 

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