海外テニス

戦列から離れているラオニッチがデ杯優勝のカナダチームを祝福!「カナダのテニス界における最高の瞬間」<SMASH>

中村光佑

2022.11.28

同郷先輩のラオニッチ(左)がオジェ-アリアシムらカナダチームに祝福の声を送った(右)。(C)Getty Images

 男子テニス国別対抗戦「デビスカップ by Rakutenファイナルズ」(11月22日~27日/スペイン・マラガ/インドアハード)は、大会最終日の現地11月27日に決勝を実施。カナダがオーストラリアを2勝0敗で下し、同大会初の優勝を飾った。

 デビスカップファイナルズでは、16か国が4チームによる4グループに分かれて戦う9月のグループステージを勝ち上がった計8か国が、トーナメント形式のノックアウトステージに進み、優勝を争う。

 大会フォーマットは、両チームがシングルス2試合とダブルス1試合(いずれも3セットマッチ)を戦い、先に2勝した方が勝利となる。グループリーグ(グループB)を2位で突破したカナダは、現地11月26日に行なわれた準決勝でイタリアを撃破し、決勝へと駒を進めていた。

 決勝では、現地25日の準決勝で第1シードのクロアチアを破ったオーストラリアと対戦。第1試合のシングルスでは、デニス・シャポバロフ(世界ランク18位)がタナシ・コキナキス(同95位)に6-2、6-4のストレートで快勝し、優勝に王手をかける。

 迎えた第2試合のエース対決は、トップ10ランカーのフェリックス・オジェ-アリアシム(6位)とアレックス・デミノー(24位)の顔合わせに。デミノーに8度ブレークポイントを握られながらも、これを全て凌ぎ切ったオジェ-アリアシムが、試合を通して2度のブレークに成功し、6-3、6-4で勝利。この結果カナダが初のデ杯タイトルを獲得した。
 
 新たな歴史をつくり上げたカナダチームを真っ先に称えたのが、長らく同国のテニス界の発展を支えてきた元世界3位のミロシュ・ラオニッチだ。

 昨年7月のアトランタ・オープン(アメリカ・アトランタ/ハードコート/ATP250)のシングルス2回戦で敗退して以降、ケガにより1年以上にわたって戦列を離れている31歳は、決勝戦終了後に自身の公式ツイッター(@milosraonic)を更新。

 カナダチームのメンバーの名前を1人ずつ挙げ、以下のように祝福と今後に向けた期待の言葉を綴った。

「カナダチーム、おめでとう。フェリックス(・オジェ-アリアシム)、デニス(・シャポバロフ)、バセク(・ポスピシル)、アレクシス(・ガラルノー)、ガブリエル(・ディアジョ)のデ杯優勝を祝福します。多くのカナダ人がテニスでたくさんのことを成し遂げてきましたが、これは国際的なチーム戦の舞台で、最高の勝利を手にするという、カナダのテニスの強さを示しています。カナダのテニス界における最高の瞬間であり、これから何度もこういった瞬間を見られることを願っています」

 素直に母国の偉業を称えつつも、ラオニッチとしてはチームメイトと共に決勝の舞台に立てなかったことに悔しさを感じているだろう。ぜひとも来シーズン中には待望のカムバックを遂げてくれることを願いたい。

文●中村光佑

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【動画】カナダがオーストラリアに勝利し優勝を飾ったデビスカップ決勝ハイライト