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海外テニス

負傷離脱のズベレフが半年ぶりに実戦復帰!「まだ復活へのプロセスを踏んでいる」<SMASH>

中村光佑

2022.12.10

サウジで開催されたエキジビション(写真)で半年ぶりに試合に臨んだズベレフが現在の心境を語った。(C)Getty Images

サウジで開催されたエキジビション(写真)で半年ぶりに試合に臨んだズベレフが現在の心境を語った。(C)Getty Images

 現在サウジアラビアで開催中のエキジビジョンマッチ「ディルイーヤ・テニスカップ」(12月8日~10日)で約半年ぶりの実戦復帰を果たした男子テニス世界ランク12位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)が、同大会の開幕に先駆けて行なわれた欧米スポーツ専門メディア『Eurosport』のインタビューに出席。そのなかで現在の心境を語った。

 今年6月の全仏オープン準決勝でラファエル・ナダル(スペイン/世界2位)と対戦した際に右足首の大けがを負った25歳のズベレフ。同箇所の手術を決行して以降、懸命なリハビリに励んだ彼は9月のデビスカップ・グループステージで待望のカムバックを遂げるはずだった。だがデ杯開幕前の練習中に右足を負傷し、復帰は先送りに。それから約3カ月余り、ついにサウジアラビアの舞台で新たな一歩を踏み出した。

 10ポイントタイブレーク3セットマッチの特殊ルールで行なわれた現地12月8日の1回戦。元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現105位)との復帰戦に臨んだズベレフは、ブランク明けとは思えない安定したプレーを披露し、10―8、10―7のストレートで勝利。見事復帰初戦を白星で飾った。

 続く準々決勝では前世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/現7位)と対戦。ファイナルセットのみマッチタイブレークを行なう形式で実施されたこの試合では0-6、4-6で敗れ、準決勝進出を逃した。

 とにかく今は以前のようなプレーを取り戻すことに集中したいというズベレフ。長らくツアーを離れていたなかで自身がテニスへの並々ならぬ愛情を抱いていたことを再確認できたと話した。
 
「テニス選手は1年の11カ月間プレーし、毎週別の国に移動している。世界最大のスタジアムで2万人の観客の前でプレーできること、そして何よりも好きなスポーツをやっていることに感謝することを忘れてしまう。何もできない状態で半年も休んでいると、どれだけこのスポーツが恋しいか、少し考えるようになる。正直なところ、離脱中はとても寂しかった」

 続けてズベレフは「まだ復活へのプロセスを踏んでいる。100%の状態に戻さなければならない。ケガをした後に前と同じようにプレーすることはできない。来シーズンはただ楽しみたい」とコメント。当分の間は結果を気にせずに前へ進んでいく意志を示した。

 また今年9月に現役を退いた元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス)や今年6月の全仏で史上最多となる四大大会22度目の優勝を飾ったナダルのようなレジェンド級の選手であってもケガからの完全復活には多少なりとも時間を要したことから、ドイツの俊英は「焦る必要はない」と考えている。

「ロジャーとラファが復帰したとき、彼らは100%の状態で戻ってきたと言われることが多いが、それは真実ではない。ナダルは昨年(左足のケガから)復帰したが、昨年12月のアブダビのエキジビションでは全員に負けていたと思う。でもその後の全豪オープンで優勝し、人生最高のテニスをした」

「ホップマンカップ(男女混合の国別対抗戦)のフェデラーも同じだった。そこで彼は僕に敗れ、他の選手に対してもそれほど良いプレーはできなかった。優勝した全豪オープンで自分の形を取り戻した。もちろん、すぐにベストのテニスができたわけではない」

 なおズベレフは12月29日からオーストラリアで新たに始まる男女混合のトーナメント「ユナイテッドカップ」で新シーズンをスタートする予定だ。それまでは無理なく調整を進めてほしい。

文●中村光佑

【連続写真】ズベレフの高い打点からエースが取れるフォアハンド
 
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