プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は現役最年長ATPランカーである松井俊英選手の2回目、攻撃的なバックハンドリターンの打ち方を解説してもらった。
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サービスリターンはどちらかというと返球率重視ですね。特にダブルスの各ゲーム1ポイント目のリターンは、ロブでも何でもとにかく返球すべきだと思っています。
ただ、シングルスの場合はコートの真ん中に返せばいいので、多少リスクを冒して打っても返球率は自ずと上がります。だから2ndサービスでは攻めていこうと考えますね。この写真のように前めのポジションに立って(1~2コマ目)、早いタイミングで打ちにいきます。
その際に意識しているポイントは、まず左足です。前に入った後、左足を先にしっかりステップして、スタンスを大きく取っています(3コマ目)。これは「リーディングエッグ」と言うもので、姿勢を安定させる役目を果たします。
それからボールを叩きにいく時は、右ヒジもポイントになります。僕は調子が悪いと、振り出しで右ヒジが上向きに曲がってしまう傾向があり、そうするとのけぞるような形になって、ボールを押さえ込めません。
理想は、ヒジを下げた状態で少し畳んでおき(4コマ目)、そこから伸ばしていくと、ラケットヘッドが鋭く起きてボールを力強く叩けます(5~6コマ目)。この写真はヒジがそれほど畳めていませんが、上がってはいないのでセーフですね。
あとは、大きく振るよりも、タイミングを合わせてできるだけ前で取ることです。両手バックは多少打点が後ろになっても左手で持っていけますが、片手はちょっとでも遅れるとミスにつながります。前で打つことが大前提。そうすれば強いサービスにも負けません。
【プロフィール】松井俊英/まついとしひで
1978年4月19日、千葉県生まれ。179cm、77kg、右利き。2000年にプロ転向し、ダイナミックなサーブ&ボレーを武器に今なお現役で活躍。デビスカップ・ATPカップ日本代表、チャレンジャーダブルス9勝などの実績を持つ。シングルスの現役最年長ATPランカーでもある。ASIA PARTNERSHIP FUND所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年7月号より再編集
【PHOTO】松井俊英の攻撃的バックハンドリターン『30コマの超分解写真』
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サービスリターンはどちらかというと返球率重視ですね。特にダブルスの各ゲーム1ポイント目のリターンは、ロブでも何でもとにかく返球すべきだと思っています。
ただ、シングルスの場合はコートの真ん中に返せばいいので、多少リスクを冒して打っても返球率は自ずと上がります。だから2ndサービスでは攻めていこうと考えますね。この写真のように前めのポジションに立って(1~2コマ目)、早いタイミングで打ちにいきます。
その際に意識しているポイントは、まず左足です。前に入った後、左足を先にしっかりステップして、スタンスを大きく取っています(3コマ目)。これは「リーディングエッグ」と言うもので、姿勢を安定させる役目を果たします。
それからボールを叩きにいく時は、右ヒジもポイントになります。僕は調子が悪いと、振り出しで右ヒジが上向きに曲がってしまう傾向があり、そうするとのけぞるような形になって、ボールを押さえ込めません。
理想は、ヒジを下げた状態で少し畳んでおき(4コマ目)、そこから伸ばしていくと、ラケットヘッドが鋭く起きてボールを力強く叩けます(5~6コマ目)。この写真はヒジがそれほど畳めていませんが、上がってはいないのでセーフですね。
あとは、大きく振るよりも、タイミングを合わせてできるだけ前で取ることです。両手バックは多少打点が後ろになっても左手で持っていけますが、片手はちょっとでも遅れるとミスにつながります。前で打つことが大前提。そうすれば強いサービスにも負けません。
【プロフィール】松井俊英/まついとしひで
1978年4月19日、千葉県生まれ。179cm、77kg、右利き。2000年にプロ転向し、ダイナミックなサーブ&ボレーを武器に今なお現役で活躍。デビスカップ・ATPカップ日本代表、チャレンジャーダブルス9勝などの実績を持つ。シングルスの現役最年長ATPランカーでもある。ASIA PARTNERSHIP FUND所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年7月号より再編集
【PHOTO】松井俊英の攻撃的バックハンドリターン『30コマの超分解写真』