プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は強烈なフォアハンドを持つ望月勇希選手が、特に武器とする回り込みフォアのダウンザラインを解説する。
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回り込みフォアハンドは自分のテニスの生命線で、一番自信があるショットです。だから常にそれが打てるチャンスをうかがっています。昔から得意で、ダウンザラインにも逆クロスにも打ち分けられますね。
このショットでまず大事なのは移動です。写真のように最初はクロスステップで入り、途中からサイドステップに切り替えます。クロスの方が速く動けるし、その後サイドを数回入れれば、距離やタイミングを細かく調整できるので、正確にボールに近付けます。
そして最後は、回るようにして一歩前に入るのがポイントです。そうするとしっかり体重をボールに乗せていけます。
上半身については、移動しながら左肩を深く入れ、なるべく早く構えを作ることを意識しています。相手に背を向けるような感じで、どちらにでも打てる形を作り、コースを隠すんです。僕は選手の中でもコースを隠すタイプで、相手に考えさせることを大事にしています。
コースの打ち分けについては、基本は逆クロスに打つつもりで構えておき、もし相手がそっちに動いたら、一気に身体を回してラケットを引っ張り込むと、打点が前になってダウンザラインやクロスに打てます。
相手が左に動いたらそのまま逆クロスに打てばいい。身体とボールの間に空間を作っておくのが、両方に打てるようにするコツです。クロスに打つイメージで構えると、その空間を取りづらいので、打ち分けが難しくなります。
あと僕は打球後も打点に顔を残します。最後までボールを見るような感じですね。それにより身体の開きを防げて、精度が上がります。
【プロフィール】望月勇希/もちづきゆうき
1997年11月23日、大阪府生まれ。173cm、65kg、右利き。2015年インターハイ、18年インカレ王者。中央大学在学中にすでにITFツアーで3勝(現在は5勝)を挙げ、20年にプロ転向。強烈なストロークを武器にし、ナショナルメンバーも経験している。エキスパートパワーシズオカ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年8月号より再編集
【連続写真】望月勇希の回り込みフォアハンドのダウンザライン『30コマの超分解写真』
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回り込みフォアハンドは自分のテニスの生命線で、一番自信があるショットです。だから常にそれが打てるチャンスをうかがっています。昔から得意で、ダウンザラインにも逆クロスにも打ち分けられますね。
このショットでまず大事なのは移動です。写真のように最初はクロスステップで入り、途中からサイドステップに切り替えます。クロスの方が速く動けるし、その後サイドを数回入れれば、距離やタイミングを細かく調整できるので、正確にボールに近付けます。
そして最後は、回るようにして一歩前に入るのがポイントです。そうするとしっかり体重をボールに乗せていけます。
上半身については、移動しながら左肩を深く入れ、なるべく早く構えを作ることを意識しています。相手に背を向けるような感じで、どちらにでも打てる形を作り、コースを隠すんです。僕は選手の中でもコースを隠すタイプで、相手に考えさせることを大事にしています。
コースの打ち分けについては、基本は逆クロスに打つつもりで構えておき、もし相手がそっちに動いたら、一気に身体を回してラケットを引っ張り込むと、打点が前になってダウンザラインやクロスに打てます。
相手が左に動いたらそのまま逆クロスに打てばいい。身体とボールの間に空間を作っておくのが、両方に打てるようにするコツです。クロスに打つイメージで構えると、その空間を取りづらいので、打ち分けが難しくなります。
あと僕は打球後も打点に顔を残します。最後までボールを見るような感じですね。それにより身体の開きを防げて、精度が上がります。
【プロフィール】望月勇希/もちづきゆうき
1997年11月23日、大阪府生まれ。173cm、65kg、右利き。2015年インターハイ、18年インカレ王者。中央大学在学中にすでにITFツアーで3勝(現在は5勝)を挙げ、20年にプロ転向。強烈なストロークを武器にし、ナショナルメンバーも経験している。エキスパートパワーシズオカ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年8月号より再編集
【連続写真】望月勇希の回り込みフォアハンドのダウンザライン『30コマの超分解写真』