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海外テニス

前回大会優勝のバーティーが後輩の“メンター”として全豪オープン復帰決定<SMASH>

中村光佑

2023.01.06

昨年現役を退いた元女王バーティー(右)が、母国の後輩ガデッキ(左)のメンターとして再び全豪オープンに戻ってくることが明らかになった。(C)Getty Images

昨年現役を退いた元女王バーティー(右)が、母国の後輩ガデッキ(左)のメンターとして再び全豪オープンに戻ってくることが明らかになった。(C)Getty Images

 昨年3月に世界ランキング1位のまま突如現役に別れを告げ、テニス界に衝撃を与えた元世界女王のアシュリー・バーティー(オーストラリア/26歳)。豪ニュースメディア『Perthnow』は、その彼女が1月16日から開幕する年内最初のグランドスラム「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)に、同郷の若手女子選手のメンター(助言者の意)として帰ってくることとなったと大々的に報じている。

 昨年1月の全豪で地元女子選手として44年ぶりとなるシングルスでの優勝を飾り、その約2か月後に自身のSNSを通じて現役引退を発表したバーティー。その後は絵本作家としてデビューを果たすなど充実した生活を送っていたが、同年11月に応じた英紙『The Guardian』のインタビューでは「2023年の全豪オープンに何らかの形で戻ることを約束する」と発言していた。

 その“何らかの形”の全容がこのほど明らかとなった。

 バーティーは開幕を2週間後に控えた今年の全豪で女子シングルスの本選ワイルドカード(主催者推薦)を獲得したオーストラリア国籍のオリビア・ガデッキ(世界ランキング202位)のメンターとして、同大会に姿を見せるというのだ。

 以前には「プロスポーツはもうやらない」と語っていたバーティーだったが、やはり今でもテニスへの愛情は変わらないようだ。メルボルンでは陣営席から戦況を見守るというこれまた新鮮なシーンも見られるかもしれない。
 
 現在20歳のガデッキは、まだランキングが付いていなかった21年2月のフィリップアイランド・トロフィー(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/WTA250)のシングルス2回戦で、20年全豪覇者のソフィア・ケニン(アメリカ/当時世界4位/現227位)を破ったことで注目を浴びた選手だ。

 実はバーティーは、まだ現役でプレーしていた数年前から大きな期待を寄せているガデッキにアドバイスを送り続けていたという。

 現在豪州の複数都市で開催されている男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(12月29日~1月8日/ハードコート)にオーストラリア代表として出場したガデッキは、大会期間中に行なわれた地元メディアのインタビューでバーティーとの関係性について以下のようにコメントしていた。

「聞きたいことがある場合やアドバイスが必要な場合に、いつでも彼女(バーティー)に連絡することができて本当に幸運だった。一番良かったことと言えば、彼女が私を普通の人間のように扱ってくれたことだった。私たちはその点で共感でき、オフコートでもオンコートと同じくらい重要な関係性を築いている」

 ちなみにガデッキは新型コロナウイルスのワクチンを接種しておらず、昨年1月の全豪は規定により欠場を余儀なくされた。だが今年度の大会では接種義務が撤廃され、彼女も予定通り出場できることとなった。バーティーの温かいサポートを背に、自国開催のグランドスラムでどんなプレーを見せてくれるのか注目したい。

文●中村光佑

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