海外テニス

42歳の元女王ビーナスが全豪オープンのワイルドカードを返上。ケガのため2年ぶりの出場はならず<SMASH>

中村光佑

2023.01.08

今季は1年半ぶりにツアー勝利を挙げるなど、順調なスタートを切ったかに見えたビーナスだが、負傷を理由に全豪オープンの出場を断念した。(C)Getty Images

 女子テニス元世界ランク1位のビーナス・ウィリアムズ(アメリカ)が、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で出場を予定していた年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の欠場を発表した。

 元世界女王のセレナ・ウィリアムズを妹に持ち、四大大会のシングルスで7度の優勝を誇るビーナス。今年6月に43歳を迎える彼女だが、先月初旬に自身が運営するYouTubeチャンネル『Venus Williams』で配信した最新の動画では「これだけ色々と聞かれたから言っておくけど、まだテニスが好きで、またプレーしたい。それがいつになるのかはまたはっきり伝えるわ」と現役続行を明言。各方面で囁かれてきた"引退説"をきっぱりと否定していた。

 そして新年早々に開幕した女子テニスツアー「ASBクラシック」(1月2日~8日/ニュージーランド・オークランド/ハードコート/WTA250)でワイルドカードでの出場を果たしたビーナスは、現地1月2日に行なわれたシングルス1回戦で同郷のケイティ・ボリネッツ(世界113位)を7-6(4)、6-2のストレートで撃破。シングルスでは2021年のウインブルドン1回戦以来、実に約1年6か月ぶりとなる勝利を挙げていた。
 
 迎えた2回戦では約2時間半にも及ぶ接戦の末に世界84位のズー・リン(中国)に6-3、2-6、5-7の逆転で敗れ、惜しくも約2年ぶりのツアー8強入りとはならず。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、ビーナスはこの試合で何らかのケガを負ったという。だが負傷箇所をはじめ詳細についてはまだ明らかになっていない。

 全豪の主催側はビーナスの出場辞退を受け、現地1月7日に大会公式ツイッター(@AustralianOpen)を更新。「ビーナス・ウィリアムズは、ニュージーランドで開催されたASBクラシックでの負傷を理由に、全豪オープンの参加を取りやめました」と報告した。なおビーナスの欠場により空きが出た本戦ワイルドカードには、地元オーストラリア出身のキム・バーレル(173位/24歳)が入ることとなった。

 ここ数年は度重なるケガにも見舞われ、大会出場数も大幅に減っていたビーナス。全豪には昨年も出場できておらず、無念の思いを抱いているのは間違いないだろう。とにかく一刻も早い回復を祈るばかりだ。

文●中村光佑

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【動画】ビーナスが1年半ぶりのツアー勝利を挙げたASBクラシック1回戦のハイライト