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【テニスルール虎の巻】仲間を応援する声が「うるさい」と言われたらどうする<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.01.21

懸命に戦う仲間を後押ししようと声援を送るのはいいが、果たして応援を制限するようなルールは存在するのだろうか…。写真:THE DIGEST 写真部
※本文と写真は関係ありません

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「応援の仕方」についてです。草大会で友人を応援していたら、相手選手から「静かにしてください」と注意されました。果たして応援の仕方にもルールがあるのでしょうか……。

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 ルールでは「バックを狙え」「前に出ろ」など戦術的なアドバイスは〝コーチング〞とみなされ違反になりますが、「ナイスショット」「先リード」などの〝掛け声〞はお咎めなしです。

 テレビで見るグランドスラム中継などは、ラリー中の静まり返った緊張感とポイントが決まった時の盛大な拍手など、コントラストが印象的です。

 ただ、仲間を応援したい気持ちはもちろんわかりますが、テニスはあくまでも1対1の真剣勝負なので、両選手が実力を出せるような応援をしたいものです。

 草トーナメントの個人戦など1人だけでエントリーするようなケースでは、ポイントを取るごとに外野が大声で盛り上がれるとやりにくいはず。試合中に相手側が「静かにして」と言うのなら、きっとその応援を不快に感じているのです。ならば声援は少し控えめにして、相手の良いプレーにも声援や拍手を送ってみてはどうでしょうか。
 
 とはいえ、熱烈な応援がダメという訳ではありません。たとえば国別対抗戦のデビスカップやビリー・ジーン・キング・カップ、あるいは学生の団体戦などは、ポイント間の応援がものすごくうるさいです。でもそれが団体戦の雰囲気であり楽しみ方なのです。選手自身も承知のうえでプレーをしているので問題にはなりません。

 要はその場に適した応援をすることが大切なのです。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出を始め、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2020年10月号より抜粋・再編集

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