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海外テニス

全豪車いす、上地結衣は優勝ならず…。絶対女王のデフロートにフルセットで敗れる<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.01.28

全豪決勝、タイミングの早い攻めでデフロートを苦しめた上地だが、フルセットで敗れタイトル奪還はならなかった。(C)Getty Images

全豪決勝、タイミングの早い攻めでデフロートを苦しめた上地だが、フルセットで敗れタイトル奪還はならなかった。(C)Getty Images

 今年最初のテニス四大大会「全豪オープン」は現地1月28日に大会13日目を迎え、車いすテニスの女子シングルス決勝が行なわれた。第2シードの上地結衣が第1シードのディーデ・デフロート(オランダ)に挑んだが、6-0、2-6、2-6で敗れ、3年ぶりの優勝はならなかった。

 デフロートは2021年全豪からグランドスラム8連勝している絶対女王。一方の上地は20年秋開催の全仏で優勝して以来、GSタイトルから遠ざかっている。全豪では2年ぶりの決勝進出で、3年ぶり3度目の頂点を目指した上地だが、このところ16連敗中と大きな壁になっているデフロートにあと一歩及ばなかった。

 試合前のインタビューで、リスクを取ってでも攻める必要があると語っていた上地。その言葉通りのプレーで序盤はリードした。上地は立ち上がりからポジションを上げて積極的にリターンを叩き、いきなり第1ゲームでデフロートのサービスをブレーク。これで流れをつかむと、ラリーでもコートの中に入って早いタイミングで攻め立てた。

 デフロートはパワフルなスピンボールが持ち味だが、上地はライジングを多用して時間を奪うことで、相手に十分な体勢で強打させない。絶対女王を相手に上地が何と6-0で第1セットを先取。デフロートの1stサービスの確率が37%と低く、ダブルフォールトを5本も犯したのは、上地の攻撃的なリターンにプレッシャーを受けた結果だろう。
 
 第2セットも第1ゲームでブレークした上地。しかしここからデフロートの反撃が始まる。ベースライン際に深くボールをコントロールしてラリーに持ち込み、上地の攻めを遅らせるとともに、ミスを引き出す。第1セットは4本しかなかった上地のアンフォーストエラーが、第2セットには15本と増加。上地は4度のサービスダウンを喫し2-6でセットを落とした。

 第3セットは互いに譲らない展開。上地が早さだけでなく角度もつけたリターンで攻めれば、デフロートもリターンから強打を繰り出し、2-2までブレーク合戦となる。

 上地にとって痛かったのは2-3で迎えた自身のサービスゲーム。40-0とリードしながら、デフロートの驚異的なコートカバーもあって落としてしまう。これで波に乗ったデフロートにパワーで押し切られ、2-6で上地は力尽きた。

 前日のダブルスに続き、決勝で涙をのんだ上地。しかし第1セットで見せたハイテンポな攻めは、今後のデフロート攻略に向け貴重なヒントにもなったことだろう。次戦での雪辱を期待したい。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】車いすの上地結衣も! 全豪オープン2023で熱戦を繰り広げる女子選手たち
 

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