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ヒザを曲げたらちゃんと伸ばす! 望月勇希がスピンサービスのコツを伝授【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.02.04

曲げたヒザをしっかり伸ばすことで(3~4コマ目)、自然に身体が伸び上がり、腕が振られる(5~6コマ目)。望月勇希選手のスピンサービスは下半身が力の源になっている。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は望月勇希選手の2回目として、スピンサービスについて話を聞いた。

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 僕はサービス自体それほど速くはないので、相手が待っていないコースや苦手にしている方を狙ったり、回転をしっかりかけて高い弾道にするなど、色々考えて打っています。

 サービス1本で決めるというより、次のボールで攻めたいという考え方です。だからスピンサービスは重要で、2ndだけでなく1stから使うこともありますね。

 技術的に特に意識しているのは、右足を前に引き寄せ、右足で蹴る感じで打つことです。これは回転を与える上で鍵になる動作だと思います。サービスというのは一連の流れなので、その蹴り上げをきっかけに自然と身体が伸び上がり、右手がスムーズに出て行って、タメていた力がラケットに伝わっていきます。

 身体を反ろうという意識はあまりなく、ヒザを曲げてしっかり伸ばすことを重視していますね。せっかく曲げても、伸ばせないまま打つと力が伝わりませんから。伸び切ったところでラケットを振れることが大事です。
 
 この写真では結構ヒザを深く曲げて沈み込んでいますが、自分では伸ばせる範囲で曲げている感覚です。ヒザをちゃんと伸ばせない人は、曲げを浅くしてみて、どのくらいが適度か調整するといいでしょう。

 それと、打点をだいたい頭の上に取ることも大切です。スピンサービスなので少し背中側にトスした方が回転はかかりやすいですが、やりすぎるとフラットとの違いが目立ってしまいます。なるべく変えないように折り合いを付けると、頭の上になるんです。

 スイングは、その打点めがけてヒジとリストをひねり上げ、しっかりプロネーション(※うちわを扇ぐように前腕をひねる動作)を利かせます。フラットでは前にプロネーションしますが、スピンでは右上の方に利かせるのがポイントです。

【プロフィール】望月勇希/もちづきゆうき
1997年11月23日、大阪府生まれ。173cm、65kg、右利き。2015年インターハイ、18年インカレ王者。中央大学在学中にすでにITFツアーで3勝(現在は5勝)を挙げ、20年にプロ転向。強烈なストロークを武器にし、ナショナルメンバーも経験している。現在JTAランキング16位。エキスパートパワーシズオカ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年9月号より再編集

【連続写真】しっかり下半身を使った望月勇希のスピンサービス『30コマの超分解写真』