プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は全日本選手権で2014年に優勝、17年に準優勝している江原弘泰選手が、得意とするフォアハンドトップスピンのポイントを教えてくれた。
「フォアハンドは昔から一番の武器です」と言い切る江原選手。彼の場合はスピードよりもスピン系のボールを持ち球にしている。「僕はしっかりトップスピンをかけるタイプで、深さもそうですが、『高さ』を結構大事にしています」とのこと。
「高い所を通せば、より高くバウンドさせられます。ネット上のどのくらいの高さを狙うかで、深さを調整するような感じです」
トップスピンというと、深く打とうと意識するのが一般的。しかし深さを出すには高く打つことが必要だ。江原選手は弾道の高さを狙い方の目安として、深さをコントロールしているわけだ。
「そうやって高く跳ねさせて、相手を後ろに下げ、甘いボールが来たらたたくのが僕のパターンです。高いスピンを何球でも打ち続けることができれば、自分の足を生かしてストローク戦を優位に持っていけます」と、自身のポイントプランを説明してくれた。
では、ボールを高く弾ませるために、技術的にスイングで意識しているのはどんなことだろうか?
「まず全身を使うことです。具体的には、しっかりと右足をボールの後ろにセットして、地面をつかむようなイメージで構えます。その体勢で身体をひねって戻すと、パワーが足から徐々に上に伝わって、全身を使ったスイングができるんです」
まずはパワーを出す源として、土台となる下半身とボディターンが重要ということだが、それだけではない。
「もう1つ意識しているのはリストワークです。ラケットヘッドを一度落として、そこから一気に上に振り上げる時に、しっかりと手首を回すこと。そのスピードが速いほど、回転量が多くなって重いスピンが打てます」
下半身だけでも、手先だけでもない。その両方が連動して、初めて強力なトップスピンが生まれる。いわゆる『運動連鎖』が、江原選手のフォアハンドのカギと言えるだろう。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年9月号より再編集
【PHOTO】江原弘泰の高く跳ねるフォアハンドトップスピン、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
「フォアハンドは昔から一番の武器です」と言い切る江原選手。彼の場合はスピードよりもスピン系のボールを持ち球にしている。「僕はしっかりトップスピンをかけるタイプで、深さもそうですが、『高さ』を結構大事にしています」とのこと。
「高い所を通せば、より高くバウンドさせられます。ネット上のどのくらいの高さを狙うかで、深さを調整するような感じです」
トップスピンというと、深く打とうと意識するのが一般的。しかし深さを出すには高く打つことが必要だ。江原選手は弾道の高さを狙い方の目安として、深さをコントロールしているわけだ。
「そうやって高く跳ねさせて、相手を後ろに下げ、甘いボールが来たらたたくのが僕のパターンです。高いスピンを何球でも打ち続けることができれば、自分の足を生かしてストローク戦を優位に持っていけます」と、自身のポイントプランを説明してくれた。
では、ボールを高く弾ませるために、技術的にスイングで意識しているのはどんなことだろうか?
「まず全身を使うことです。具体的には、しっかりと右足をボールの後ろにセットして、地面をつかむようなイメージで構えます。その体勢で身体をひねって戻すと、パワーが足から徐々に上に伝わって、全身を使ったスイングができるんです」
まずはパワーを出す源として、土台となる下半身とボディターンが重要ということだが、それだけではない。
「もう1つ意識しているのはリストワークです。ラケットヘッドを一度落として、そこから一気に上に振り上げる時に、しっかりと手首を回すこと。そのスピードが速いほど、回転量が多くなって重いスピンが打てます」
下半身だけでも、手先だけでもない。その両方が連動して、初めて強力なトップスピンが生まれる。いわゆる『運動連鎖』が、江原選手のフォアハンドのカギと言えるだろう。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年9月号より再編集
【PHOTO】江原弘泰の高く跳ねるフォアハンドトップスピン、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』