プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は今井慎太郎選手の2回目。強力なフォアに対し、弱点とされたバックをどうやって強化したか、語ってもらった。
大学時代までの今井選手は、バックハンドはスライスでつなぎ、少しでも甘いボールは回り込みフォアで強打してポイントするプレースタイルだった。しかし、「学生相手には勝てても、プロでやっていくにはバックがスライスばかりでは厳しい。両手打ちをかなり練習し、使う頻度を増やしました」と振り返る。
とはいえだいぶ苦労したようだ。
「僕は両手バックの感覚がずっとなかったんです。それを上達させるには、とにかく球数を打つこと。それも、本番の試合でたくさん打たないとダメです」
目の前の勝利が求められる実戦で、ともすればアマチュアのようなミスを連発する今井選手を何度も見たことがあるが、それでも辛抱強く打ち続けた結果、「最近は両手バックもある程度強打できるようになってきました」と言えるレベルまで向上した。練習ではなく、実戦でたくさん打つこと――基本的なことだが、その大切さを今井選手は改めて教えてくれる。
では、両手バックに開眼した今井選手が、技術的につかんだポイントとは何だろうか?
「意識した部分は、やはり足をしっかり動かしてボールの後ろに入ることと、左手をうまくリンクさせることです。左手と右手の割合を7:3とか6:4ぐらいの気持ちで使うと、ラケットがスムーズに出てくるようになりました」
両手バックは左手のフォアとよく言われるが、まさしくそういうことだろう。
「まず左手で面をしっかりボールに当てて押すことが大事で、それに回転を必要に応じて加えます」と今井選手。両手バックが苦手な初~中級者は、左手を意識してみるといい。
【プロフィール】今井慎太郎/いまいしんたろう
1993年9月7日神奈川県生まれ。179cm、75kg、右利き。早稲田大学出身。2015年にインカレを制し、卒業後プロ転向。一撃必殺のフォアハンドの持ち主で、ITF大会で単8勝、複18勝を挙げている。18、19年全日本選手権男子ダブルス王者。ATPランキング自己最高290位(20年1月6日付)。イカイ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2019年6月号より再編集
【PHOTO】今井慎太郎の両手バックハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
大学時代までの今井選手は、バックハンドはスライスでつなぎ、少しでも甘いボールは回り込みフォアで強打してポイントするプレースタイルだった。しかし、「学生相手には勝てても、プロでやっていくにはバックがスライスばかりでは厳しい。両手打ちをかなり練習し、使う頻度を増やしました」と振り返る。
とはいえだいぶ苦労したようだ。
「僕は両手バックの感覚がずっとなかったんです。それを上達させるには、とにかく球数を打つこと。それも、本番の試合でたくさん打たないとダメです」
目の前の勝利が求められる実戦で、ともすればアマチュアのようなミスを連発する今井選手を何度も見たことがあるが、それでも辛抱強く打ち続けた結果、「最近は両手バックもある程度強打できるようになってきました」と言えるレベルまで向上した。練習ではなく、実戦でたくさん打つこと――基本的なことだが、その大切さを今井選手は改めて教えてくれる。
では、両手バックに開眼した今井選手が、技術的につかんだポイントとは何だろうか?
「意識した部分は、やはり足をしっかり動かしてボールの後ろに入ることと、左手をうまくリンクさせることです。左手と右手の割合を7:3とか6:4ぐらいの気持ちで使うと、ラケットがスムーズに出てくるようになりました」
両手バックは左手のフォアとよく言われるが、まさしくそういうことだろう。
「まず左手で面をしっかりボールに当てて押すことが大事で、それに回転を必要に応じて加えます」と今井選手。両手バックが苦手な初~中級者は、左手を意識してみるといい。
【プロフィール】今井慎太郎/いまいしんたろう
1993年9月7日神奈川県生まれ。179cm、75kg、右利き。早稲田大学出身。2015年にインカレを制し、卒業後プロ転向。一撃必殺のフォアハンドの持ち主で、ITF大会で単8勝、複18勝を挙げている。18、19年全日本選手権男子ダブルス王者。ATPランキング自己最高290位(20年1月6日付)。イカイ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2019年6月号より再編集
【PHOTO】今井慎太郎の両手バックハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』