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女子テニス世界4位のペグラ、心臓発作で闘病中の母親について現在の心境を語る<SMASH>

中村光佑

2023.02.10

現在シングルスとダブルスでともに世界4位に位置するジェシカ・ペグラが心臓発作で生死を彷徨った母親について語った。(C)Getty Images

現在シングルスとダブルスでともに世界4位に位置するジェシカ・ペグラが心臓発作で生死を彷徨った母親について語った。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランク4位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)が、トップアスリートの逸話を紹介する母国のスポーツメディア『The Players Tribute』に寄稿。NFL(米プロフットボールリーグ)のバッファロー・ビルズの共同オーナー兼社長を務める母親のキム・ペグラ氏が心臓発作に見舞われ、現在も回復に励んでいることを明かした。

 現地2月7日に公開された同メディアの寄稿文によると、母親が突然の悲劇に襲われたのはペグラがシングルスでベスト8、ダブルスで決勝進出を果たした昨年6月の全仏オープンが閉幕した直後のことだった。

 キム氏が誕生日を迎えた6月7日の深夜12時頃、実家に滞在していた妹からアメリカに帰国したペグラの元に1本の電話が入り、「母が寝ている途中に心臓発作を起こした」と伝えられたという。

 当時の状況についてペグラは以下のように詳細を説明している。

「母は何かまずい状態になっていると気づき、救急車で病院に向かいました。父が目を覚ましたとき、母は眠っていましたが、母は心停止に陥り、しばらく反応がありませんでした」

「妹は救急車が到着するまで心肺蘇生法を行っていました。彼女が母の命を救いました。それから救急隊員が到着して心拍を回復させるという重要なミッションを継続したのです」

 それから約2週間にわたって家族が交代制で母親の看病をしていた中、ペグラは全仏終了から程なくして始まった芝シーズンでの全ツアー大会欠場を決断。「母の病気を理由にすると叱られると思った」という理由で、唯一昨年7月のウインブルドンには参戦したものの、シングルス3回戦でペトラ・マルティッチ(クロアチア/現世界34位)にストレートで敗退した。
 
 なおキム氏の現況についてペグラは「まだ回復途上にあります。誰かが私に聞いてくるたびに同じように答えていますが、確かに彼女は毎日改善しています」と報告。

 一方で「重度の表現性失語症と記憶障害を抱えています」とも綴っており、「母は読み書きもできますし、こちらの言っていることも理解できますが、自分の思いを伝えるのにとても苦労しています」と、まだまだ苦しい日々が続いていることを明かした。

 それでも理想の形ではないにせよ、何とか生き延びた母親と最低限のコミュニケーションを取れている現状については「毎日神に感謝しています」とコメント。「彼女の当初の状況を踏まえれば、医師はその回復力に圧倒され続けています。彼女の強い意志が復活の原動力になっているのでしょう」とかけがえのない母親の強さに敬意を表している。

 昨年11月に出場した「グアダラハラ・オープン」(メキシコ・グアダラハラ/ハードコート)で四大大会に次ぐWTA1000大会での初優勝を飾ったペグラ。生死をさまよう壮絶な状況を乗り越えつつある母親に、今2戦目の四大大会となる6月の全仏で初のグランドスラムタイトルをプレゼントできるか注目だ。

文●中村光佑

【PHOTO】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げたペグラら女子選手たちの厳選写真!
 

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