海外テニス

「自信がない」元世界8位シュワルツマンが不調シーズンの胸の内を明かす「言い訳ではないが、僕は忍耐力がない」<SMASH>

中村光佑

2023.02.12

全豪オープンの1回戦で勝利を挙げるまで8連敗を喫していたシュワルツマン。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「コルドバ・オープン」(2月6日~12日/アルゼンチン・コルドバ/クレーコート/ATP250)のシングルス2回戦で敗退した元世界ランク8位のディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/現28位)が試合後の記者会見に出席。なかなか調子が上がらない現状を踏まえ、つらい胸の内を明かした。

 2020年の全仏オープンでグランドスラム初のベスト4入りを果たし、同年10月には自身初のトップ10入りを達成した30歳のシュワルツマン。ところがここ最近の彼は、出場したツアー大会でほとんど結果を残せていない。

 先月に行なわれた年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の1回戦で勝利を挙げるまで公式戦では8連敗。ちなみにその全豪では、2回戦でジェフリー・ジョン・ウルフ(アメリカ/大会時67位/現43位)にストレートで敗退した。

 コンディション不良のなかで迎えた今回のコルドバ大会でも、現地2月9日に実施された2回戦で同郷のフアン・マヌエル・セルンドロ(114位/主催者推薦で出場)に6-7(6)、1-6で敗戦。その直後に応じた記者会見では敗因を、こう分析している。

「コートコンディションに対応できなかった。土曜日に到着してから4、5日間ほど、午前、午後、夜と練習してきたけど、うまく適応できなかった。ボールのコントロールがとても難しいと感じた。ボールもかなり跳ねていたし、そういったことが僕のプレーに大きく影響した」
 
 無論、負けが続いている状況も良いプレーができない原因になっているという。また詳細こそ明かさなかったものの、「父親が3週間ほど入院し、水曜日に退院したばかりだ。僕はここ2週間、病院で何時間も過ごしていた」とも告白。悪いことが重なっている現状がメンタルに大きく影響しているとして、次のようにコメントした。

「試合数が少なく、自信がない。おそらく、別の機会で僕はリズムを取り戻してその問題を解決すると思う。今日の試合はそういう気持ちが仇になった」

「言い訳にはならないが、おそらく僕は忍耐力がないのだろう。プレーするときに、よりフラストレーションを感じるようになった。個人的な状況が影響している。日頃の練習ではとてもうまくいっていると感じるけど、試合になると、自分にとって心地よい瞬間を感じられなくなる。

 挑戦して失敗することもあれば、後ろ向きな気持ちになって失敗することもある。その明確な理由を見つけるのは難しいが、時にはそのような違和感が自信のない瞬間と重なり、それが僕を悪い方向に向かわせている」

 現地2月13日に更新される世界ランキングでは約6年ぶりとなるトップ30陥落が確定し、アルゼンチン勢トップの座をフランシスコ・セルンドロ(31位)に明け渡してしまったシュワルツマン。時間はかかるかもしれないが、焦らず本来のプレーを取り戻していってほしいものだ。

文●中村光佑

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