男子テニス世界ランク19位のニック・キリオス（オーストラリア／27歳）が、テニス界のニューヒーローとして注目を集めている19歳のホルガー・ルネ（デンマーク／同９位）に高い関心を示しているようだ。

　デンマークのタブロイド紙『BT』によると、キリオスは昨年11月の「ロレックス・パリ・マスターズ」（フランス・パリ／ハードコート）で四大大会に次ぐマスターズ1000大会初優勝を飾って自身初のトップ10入りを果たしたルネを「引退後にコーチとして指導してみたい」と明かしたという。

　今シーズン中でのグランドスラム制覇にも大きな期待を寄せられているルネ。抜群のテニスセンスでファンを魅了し続けてきたキリオスは、かつての自身と同様に若くから高い能力を発揮している19歳の俊才をこう称賛する。

「彼（ルネ）はすごいポテンシャルを持っているし、キャリアの中で幾度となく四大大会のタイトルを獲得できると思う。俺は彼がこのスポーツで、とても大きな存在になると認識している。コート上で見ていてとても面白い男で、このスポーツを愛し、素晴らしいテニス観を持っていることがわかる」

　その一方でキリオスは世界のトップで活躍し続けたいという気持ちが強すぎるのではないかとして、ルネが改善すべき点を以下のように指摘している。
  「彼はもう少しリラックスしながらコート上でもっとテニスを楽しみ、個性を解き放つ必要がある選手だと感じている。もっと落ち着いてテニス以外のことも考えることができれば、彼のキャリアはより良くなると思う」

　キリオスと言えば同郷の後輩であるタナシ・コキナキス（26歳／シングルス141位）とダブルスを組んで公式戦に出場することが多いが、今回の取材では「今はルネともペアになってみたい」と発言。

「一緒にダブルスを組んだら、きっと素晴らしい時間を過ごすことができると確信している」と続けたうえで、最後には「俺もその気になっているから、あとは彼がいつ俺にそのことを言ってくるかということだけだ。今年中にダブルスをやってみたいし、多分、俺が彼にコンタクトを取って正式に提案すると思う」と近いうちにルネとのタッグを実現させる意欲も示した。

　なお現在ヒザのケガでツアーを離れているキリオスは、３月８日から開催されるマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」（アメリカ・インディアンウェルズ／ハードコート）での復帰を目指している。リハビリが順調に進み、ぜひとも今年中にルネとのダブルスも見せてもらいたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ルネをはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たち！