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テニス日本リーグ女子は島津製作所が3大会ぶりのタイトル奪還。橋本総業HDに昨年度のリベンジ!<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2023.02.19

日本リーグ女子で3大会ぶり6度目の優勝を飾った島津製作所。左下はエースでMVP受賞の本玉真唯、右下はナンバー2で貴重な勝利を挙げた加治遥。写真:滝川敏之

 実業団チームによる国内最高峰の団体戦「第37回テニス日本リーグ」もいよいよ大詰め。東京体育館(渋谷区)を舞台に2月17日から始まった決勝トーナメントが19日に最終日を迎え、男女決勝および3位決定戦が行なわれた。

 女子決勝は2連覇を狙う橋本総業ホールディングスと、昨年度3位の島津製作所の顔合わせ。両チームの対戦は、昨年度の準決勝では橋本総業HDが、今年度のセカンドステージでは島津製作所が勝っており、実力は拮抗している。

 決勝を先にリードしたのは島津製作所だ。シングルス2で加治遥が小堀桃子を圧倒した。加治は昨年度の大会と今回の2ndステージで橋本総業HD戦に敗れ、「本当に悔しい思いをした」という。「先に攻めていくと決めて、ミスが出ることも想定しながら、引かずに強気に押していこう」との思いで試合に臨んだ加治。

 その言葉通り、深いボールで小堀を押し込み、相手の武器である速いテンポのストロークを封じつつ、甘くなった返球をコーナーに叩いてラリーを支配した。攻撃的なサービスでエースも量産。6-1、6-3の完勝でチームに1勝目をもたらした。

 続くシングルス1は、後がない橋本総業HDが意地を見せる。新旧全日本女王対決で、坂詰姫野が本玉真唯から第1セットを6-3で先取。本玉の攻めに対し、坂詰は素早いフットワークで追いつき、深いスピンで返球して本玉のミスを誘う。チャンスでは角度のある強打でポイントを奪い、このまま押し切るかに思えた。

 しかし第2セットに入ると流れが変わる。本玉は「第1セットは打てないところで打って、単調なミスを繰り返した。第2セットはコースを狭めてミスを減らし、本当に行けるところだけ狙って打った」と語る。すると坂詰の方にミスが増え、さらに本玉がドロップショットやスライスを交えて揺さぶると、主導権は完全に本玉に移った。何と6-0で本玉が第2セットを奪還する。

 マッチタイブレークは中盤まで坂詰が優勢に進めたが、終盤でショットの精度が乱れ、本玉が6-6から4ポイントを連取して勝利。島津製作所の3大会ぶり6回目の優勝を決めた。
 
 最後のダブルスは橋本総業HDの瀬間詠里花/岡村恭香が桑田寛子/大前綾希子から意地の1勝。「目指したのは完全優勝だったので、最後にダブルスを落としたのは悔しい」と島津製作所の小森ひろ子監督は語ったが、それでも「ダブルスも最後まで諦めずにプレーしていた。いいチームに成長した」と笑顔で選手たちを称えていた。

 最高殊勲選手には、予選ステージから決勝トーナメントまで6戦全勝の本玉が選ばれた。また3位決定戦はノアインドアステージがエームサービスを2-1で下している。

◆女子決勝結果
島津製作所[2-1]橋本総業ホールディングス
S1 本玉真唯 3-6 6-0 10-6 坂詰姫野
S2 加治遥 6-1 6-3 小堀桃子
D 桑田寛子/大前綾希子 4-6 4-6 瀬間詠里花/岡村恭香

◆女子3位決定戦結果
ノアインドアステージ[2-1]エームサービス
S1 上田らむ 3-6 6-4 12-10 鮎川真奈
S2 松田鈴子 6-2 6-0 加治成美
D 中塚桃子/山中千紘 6-7(5) 1-6 根本咲菜/鈴木沙也伽

◆女子最終順位
優勝 島津製作所
準優勝 橋本総業ホールディングス
3位 ノアインドアステージ
4位 エームサービス
5位 リコー
6位 九州電力

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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