男子テニス世界ランク３位のステファノス・チチパス（ギリシャ）が、肩の負傷により出場を予定していた来週開催の「メキシコ・オープン」（２月27日～３月４日／メキシコ・アカプルコ／ハードコート／ATP500）の欠場を正式に発表した。ATP（男子プロテニス協会）公式サイトなど複数のメディアが報じている。

　先月開催された「全豪オープン」でグランドスラム（四大大会）２度目の決勝進出を果たしたものの、現世界王者のノバク・ジョコビッチ（セルビア）に敗れて準優勝に終わった24歳のチチパス。先週出場した「ABNアムロ・オープン」（オランダ・ロッテルダム／インドアハードコート／ATP500）では、２回戦で過去５勝１敗と相性の良かったヤニック・シナー（イタリア／現12位）にストレート負けを喫していた。

　現地２月22日に自身の公式インスタグラム（@stefanostsitsipas98）のストーリーズを更新したチチパスは、アカプルコ大会の欠場を決断した理由について「全豪オープンの後に肩を負傷しました」と説明。

　そのうえで2021年に準優勝を収めた同大会でプレーできなくなったことについて、「今年のメキシコ・オープンへの出場辞退を発表しなければならないのは、非常に残念です。メキシコは世界で最も好きな場所のひとつであり、私はこの権威ある大会に出場する機会を常に大切にしてきました」と無念の心境を綴った。
  　それでもギリシャテニス界の俊才は束の間の休養期間を有意義に活用したいとして、「今回の出場辞退は残念ですが、私はポジティブなことに集中していこうと思っています。この機会に休息を取って回復し、これまで以上に強くなって戻ってきます。これからも目標に向かって努力し続け、これからもメキシコでプレーをする機会がたくさん与えられると確信しています」と前向きにコメント。

　そして最後にはいつも温かい声援を送ってくれるメキシコのファンへ向け、以下のような感謝の言葉で全文を締めくくった。

「この数年間、メキシコのテニス関係者やファンから受けたサポートには、本当に感謝しています。皆さんの揺るぎないサポートは、私にとって大きなインスピレーションとモチベーションの源になっています。（今回）皆さんが示してくれた励ましと優しさに心から感謝しています」

　またスペインのテニスメディア『Punto de Break』によると、先の全豪でグランドスラム初のベスト８に進出しながらもカレン・ハチャノフ（ロシア／現14位）との準々決勝で右手首の負傷により途中棄権を余儀なくされたセバスチャン・コルダ（アメリカ／現26位）も、アカプルコ大会の出場辞退を表明したという。

　エネルギッシュなプレーでファンを魅了しているチチパスとコルダの２人にはとにかくケガが悪化しないよう、まずは治療に専念してほしい。

文●中村光佑

【画像】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げたチチパスら男子選手の厳選写真！