35歳の元世界王者、アンディ・マリー(イギリス/世界ランク70位)が超人的な活躍で脚光を浴びている。
現在開催中の男子テニスツアー「カタール・オープン」(2月20日~25日/カタール・ドーハ/ハードコート/ATP250)は現地24日にシングルス準決勝を行ない、マリーが5本のマッチポイントを切り抜けて6-0、3-6、7-6(6)でイリ・レヘチュカ(チェコ/52位)に勝利。昨年6月のシュツットガルト以来のツアー決勝進出を果たした。
今大会にワイルドカードで出場したマリーは"マラソンマン"と評されるほど粘り強い戦いぶりを見せている。ロレンツォ・ソネゴ(イタリア/71位)との1回戦はファイナル・タイブレーク、第4シードのアレクサンダー・スベレフ(ドイツ/16位)との2回戦はファイナル7-5、そして準々決勝のアレクサンドル・ミュラー(フランス/170位)戦もファイナル逆転勝ちと、ことごとくフルセットマッチを制して勝ち上がってきた。
準決勝で相対したレヘチュカは先の全豪オープンで3人のシードを破りベスト8入りした21歳の成長株。その勢いのある相手にもマリーはマラソンマンの本領を発揮する。第1セットをマリーが完璧なテニスで6-0と先取すると、第2セットは序盤で喫したワンブレークの差を詰められず3-6で奪い返される。
ファイナルセットはレヘチュカが先行する展開で、マリーは3-5と追い込まれ、後がなくなった。自分のサービスを、2本のマッチポイントを凌いで何とかキープし4-5とするものの、第10ゲームは相手サービスで40-0とトリプルマッチポイントを握られる。しかしそこでのマリーは冷静だった。
「彼が決勝進出を懸けてサーブを打つのはこれが初めてだったから、最後までプレッシャーをかけ続けなければと思ったんだ。ああいう試合でサーブするのがいかに難しいかは知っているからね」
5ポイント連取で値千金のブレークに成功したマリーは、そのままタイブレークに持ち込み、最後は7-6からレヘチュカのボレーミスを誘って約2時間半の激闘にケリをつけた。
「どうやって勝ったのかわからないよ」と自分でも信じられない様子のマリー。「僕のキャリアのなかで、最も素晴らしい逆転劇の一つだった」と、プロ19年目のベテランは振り返る。この試合を入れて今季のマリーは6勝2敗だが、6勝は全てフルセットという勝負強さだ。
マリーの決勝の相手は、前週のロッテルダム(ATP500)で優勝し波に乗っている第2シードのダニール・メドベージェフ(8位)で、現地25日18時(日本時間26日0時)に開始予定。19年10月のアントワープ(ATP250)以来となるツアー47勝目を狙うマリー。再びマラソンマンぶりを見せてくれるのか、注目が集まる。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】マリーはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!
現在開催中の男子テニスツアー「カタール・オープン」(2月20日~25日/カタール・ドーハ/ハードコート/ATP250)は現地24日にシングルス準決勝を行ない、マリーが5本のマッチポイントを切り抜けて6-0、3-6、7-6(6)でイリ・レヘチュカ(チェコ/52位)に勝利。昨年6月のシュツットガルト以来のツアー決勝進出を果たした。
今大会にワイルドカードで出場したマリーは"マラソンマン"と評されるほど粘り強い戦いぶりを見せている。ロレンツォ・ソネゴ(イタリア/71位)との1回戦はファイナル・タイブレーク、第4シードのアレクサンダー・スベレフ(ドイツ/16位)との2回戦はファイナル7-5、そして準々決勝のアレクサンドル・ミュラー(フランス/170位)戦もファイナル逆転勝ちと、ことごとくフルセットマッチを制して勝ち上がってきた。
準決勝で相対したレヘチュカは先の全豪オープンで3人のシードを破りベスト8入りした21歳の成長株。その勢いのある相手にもマリーはマラソンマンの本領を発揮する。第1セットをマリーが完璧なテニスで6-0と先取すると、第2セットは序盤で喫したワンブレークの差を詰められず3-6で奪い返される。
ファイナルセットはレヘチュカが先行する展開で、マリーは3-5と追い込まれ、後がなくなった。自分のサービスを、2本のマッチポイントを凌いで何とかキープし4-5とするものの、第10ゲームは相手サービスで40-0とトリプルマッチポイントを握られる。しかしそこでのマリーは冷静だった。
「彼が決勝進出を懸けてサーブを打つのはこれが初めてだったから、最後までプレッシャーをかけ続けなければと思ったんだ。ああいう試合でサーブするのがいかに難しいかは知っているからね」
5ポイント連取で値千金のブレークに成功したマリーは、そのままタイブレークに持ち込み、最後は7-6からレヘチュカのボレーミスを誘って約2時間半の激闘にケリをつけた。
「どうやって勝ったのかわからないよ」と自分でも信じられない様子のマリー。「僕のキャリアのなかで、最も素晴らしい逆転劇の一つだった」と、プロ19年目のベテランは振り返る。この試合を入れて今季のマリーは6勝2敗だが、6勝は全てフルセットという勝負強さだ。
マリーの決勝の相手は、前週のロッテルダム(ATP500)で優勝し波に乗っている第2シードのダニール・メドベージェフ(8位)で、現地25日18時(日本時間26日0時)に開始予定。19年10月のアントワープ(ATP250)以来となるツアー47勝目を狙うマリー。再びマラソンマンぶりを見せてくれるのか、注目が集まる。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】マリーはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!