男子テニスツアー「カタール・オープン」(2月20日~25日/カタール・ドーハ/ハードコート/ATP250)は現地2月25日にシングルス決勝を実施。第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク8位)が、元世界王者のアンディー・マリー(イギリス/同70位)に6-4、6-4のストレートで勝利。同大会初優勝を果たすとともに、2週連続となるツアー優勝を飾った。
先週出場した「ABNアムロ・オープン」(オランダ・ロッテルダム/インドアハードコート/ATP500)で、今季初優勝を手にした27歳のメドベージェフは、勢いそのままに今回のドーハ大会でも初戦(2回戦)から準決勝まで全てストレート勝ちと素晴らしいプレーを披露してきた。
一方のマリーは、5本ものマッチポイントを凌いで勝利したイリ・レヘチュカ(チェコ/52位)との準決勝を含め、1回戦から4試合連続でフルセットマッチを制して自身5度目のドーハ決勝へと勝ち上がった。
この日の決勝で先に主導権を握ったのはメドベージェフだった。持ち前の正確なリターンでマリーのミスを誘っていきなり第1ゲームをブレークすると、第5ゲームでは相手のダブルフォールトを皮切りに流れをつかんで2度目のブレークに成功。直後の第6ゲームでブレークバックを許すも、何とかリードを守り切って第1セットを先取する。
迎えた第2セットは、第8ゲームまで互いに1つずつブレークを取り合う拮抗した展開となるも、終盤の第9ゲームではマリーが40-0とゲームポイントを握ったところから驚異の粘りを見せたメドベージェフが値千金のブレークを果たして勝負あり。1時間46分で自身17度目のツアータイトルを獲得した。
試合後のオンコートインタビューでロシアテニス界の俊才は初めに試合内容を振り返り、「タフな試合だった」とコメント。続けて「今日は少し風が強かったから、お互いにリズムをつかむのに苦労した。時には悪いプレーもあったけど、僕も彼も素晴らしいプレーをした。勝てて嬉しいよ」と素直に喜びを表現した。
メンタル面では先週優勝したロッテルダムで、大会を通して良いパフォーマンスを披露できたことが自信につながり、「今は本当に良いプレーができるようになったし、サービスの調子も全体的な動きも良くなっている」という。それでも最後にメドベージェフは「問題はそれが続けられるかどうかだね。できる限りトライしてみるつもりだよ」と、まだまだ現状に満足せず高みを目指す意欲を示した。
一方、あと一歩のところでキャリア通算47度目のツアー優勝を逃したマリーは“マラソンマン”と評されるほどの超人的な活躍を見せた今大会を以下のように前向きに総括した。
「信じられないような1週間だった。思い通りの結果にはならなかったけど、ここでは素晴らしい試合をすることができたし、良い思い出を作ることもできた。ここで決勝に戻ってくることだってできたし、今日は素晴らしい選手と対戦することもできた」
今後もメドベージェフとマリーが共に男子テニスを盛り上げ、ファンを魅了し続けてくれることだろう。この先も2人のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】メドベージェフはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!
先週出場した「ABNアムロ・オープン」(オランダ・ロッテルダム/インドアハードコート/ATP500)で、今季初優勝を手にした27歳のメドベージェフは、勢いそのままに今回のドーハ大会でも初戦(2回戦)から準決勝まで全てストレート勝ちと素晴らしいプレーを披露してきた。
一方のマリーは、5本ものマッチポイントを凌いで勝利したイリ・レヘチュカ(チェコ/52位)との準決勝を含め、1回戦から4試合連続でフルセットマッチを制して自身5度目のドーハ決勝へと勝ち上がった。
この日の決勝で先に主導権を握ったのはメドベージェフだった。持ち前の正確なリターンでマリーのミスを誘っていきなり第1ゲームをブレークすると、第5ゲームでは相手のダブルフォールトを皮切りに流れをつかんで2度目のブレークに成功。直後の第6ゲームでブレークバックを許すも、何とかリードを守り切って第1セットを先取する。
迎えた第2セットは、第8ゲームまで互いに1つずつブレークを取り合う拮抗した展開となるも、終盤の第9ゲームではマリーが40-0とゲームポイントを握ったところから驚異の粘りを見せたメドベージェフが値千金のブレークを果たして勝負あり。1時間46分で自身17度目のツアータイトルを獲得した。
試合後のオンコートインタビューでロシアテニス界の俊才は初めに試合内容を振り返り、「タフな試合だった」とコメント。続けて「今日は少し風が強かったから、お互いにリズムをつかむのに苦労した。時には悪いプレーもあったけど、僕も彼も素晴らしいプレーをした。勝てて嬉しいよ」と素直に喜びを表現した。
メンタル面では先週優勝したロッテルダムで、大会を通して良いパフォーマンスを披露できたことが自信につながり、「今は本当に良いプレーができるようになったし、サービスの調子も全体的な動きも良くなっている」という。それでも最後にメドベージェフは「問題はそれが続けられるかどうかだね。できる限りトライしてみるつもりだよ」と、まだまだ現状に満足せず高みを目指す意欲を示した。
一方、あと一歩のところでキャリア通算47度目のツアー優勝を逃したマリーは“マラソンマン”と評されるほどの超人的な活躍を見せた今大会を以下のように前向きに総括した。
「信じられないような1週間だった。思い通りの結果にはならなかったけど、ここでは素晴らしい試合をすることができたし、良い思い出を作ることもできた。ここで決勝に戻ってくることだってできたし、今日は素晴らしい選手と対戦することもできた」
今後もメドベージェフとマリーが共に男子テニスを盛り上げ、ファンを魅了し続けてくれることだろう。この先も2人のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
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