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海外テニス

今年のウインブルドンにロシア勢は出られるのか?元王者マリーは「出ても怒ったりはしない」と冷静<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.03.11

昨年ロシア・ベラルーシ勢を除外したウインブルドンは今年も同様の措置を取るのか。英国籍の元王者マリー(写真)はどちらの決定も受け入れるとする。(C)Getty Images

昨年ロシア・ベラルーシ勢を除外したウインブルドンは今年も同様の措置を取るのか。英国籍の元王者マリー(写真)はどちらの決定も受け入れるとする。(C)Getty Images

 今年7月に開催されるテニス四大大会の一つ「ウインブルドン」(英国・ロンドン)に、果たしてロシアとベラルーシの選手は出場できるのか。

 ウインブルドンは昨年、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてロシアとその同盟国であるベラルーシの選手を大会から除外した。

 これは英国政府の方針に沿ったものだが、世界のテニスツアーを統括するATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス連盟)は猛反発。「選手に平等に与えられる権利が侵害された」ことを理由に同大会にランキングポイントを付与しないことを決めた。

 現在もロシアによるウクライナへの攻撃は継続され多くの犠牲者が出ている。そのため米英をはじめ西側諸国によるロシアへの制裁が解除される気配はない。その流れで考えれば今年もウインブルドンがロシア勢を除外する可能性は高いと思われる。

 だが、英紙『Daily Telegraph』は3月4日の記事で、ロシア勢の除外措置の解除が予想されると報じた。その条件としてロシアとベラルーシ選手に大会期間中は戦争を支持あるいは賛美しないという誓約書へのサインが義務付けされるとした。
 
 その一方で『ロイター通信』は3月10日、ウインブルドン大会主催者側の「我々はまだエントリーについて決定していない」とのコメントを紹介。英国政府およびテニスの主要な利害関係者と非常に緊密に協議している最中だとした。

 戦争状況の改善が見られないなか、果たしてウインブルドンはどのような判断を下すのか。

 ウクライナの子どもたちを支援するために、2022年シーズンは3月以降の大会賞金を全額寄付した英国の元世界王者アンディ・マリー(2013・16年ウインブルドン優勝)は、英メディア『BBC』のインタビューで次のように語る。

「(ロシア勢の)出場が認められても私は怒ったりはしないし、ウインブルドンが別の道(ロシア勢除外)を選んだとしても理解する」

 現在、ロシアとベラルーシ国籍の選手は、国旗や国名を表示しない個人としてのツアー参戦が認められており、今年1月に開催された四大大会の一つ「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)でも同じ条件でロシアとベラルーシ選手の出場は認められている。

 シーズンを通して大会期間中しか使用されないウインブルドンのセンターコート。その美しい芝コートの上に今年はロシアとベラルーシの選手は立てるのか。大会側の判断が注目される。

構成●スマッシュ編集部

【画像】ウインブルドン2022で活躍したマリーら男子選手の厳選写真

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