専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

ポタポワがロシアのサッカークラブのシャツを着用し物議。「正直言って驚いた」とシフィオンテクも批判<SMASH>

中村光佑

2023.03.16

国名や国旗を使用しないことがロシア選手のツアー参加の条件だが、ポタポワ(左)のケースはいかがなものか。シフィオンテク(右)はWTAに訴え、今後はスポーツチームのシャツも許容されないことに。(C)Getty Images

国名や国旗を使用しないことがロシア選手のツアー参加の条件だが、ポタポワ(左)のケースはいかがなものか。シフィオンテク(右)はWTAに訴え、今後はスポーツチームのシャツも許容されないことに。(C)Getty Images

 現在開催中の女子テニスツアー「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/WTA1000)のシングルス3回戦で敗退したアナスタシア・ポタポワ(ロシア/世界ランク28位)の“ある行動”が物議を醸している。

 現地3月12日に行なわれた3回戦で第3シードのジェシカ・ペグラ(アメリカ/3位)に逆転で敗れたポタポワは、試合開始前のウォークオンで母国ロシアのサッカークラブ「スパルタク・モスクワ」のユニフォームを着て入場。実は以前から彼女は同クラブの熱狂的なファンであることをアピールしていたのだが、依然ウクライナ侵攻の収束が見えない中、今回は各方面から反感を集めることとなってしまった。

 英紙『Daily Mail』によれば、現役選手では今回のBNPパリバ・オープンでベスト8に進出した世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、以下のようにポタポワへの批判の言葉を述べている。

「たとえそのチーム(スパルタク・モスクワ)のファンであっても、このような状況下であんな形で自分の考えを示すべきでないということを選手たちは理解していると思っていたから、正直言って驚いたわ」
 
 その一方で「こういう事態が起こる前に手を打つべきだった」とも主張。「どうアプローチすればいいのかが明確でなかったため、このように不快に感じる状況が起こってしまう。最初からもっと(大会主催側や統括団体が)リーダーシップを発揮していたら、こういったことは避けられたかもしれないとも思う」と続けた。

 その後シフィオンテクは「今回の騒動についてWTA(女子テニス協会)と話し合った。今後はこのような騒動は少なくなるはず。というのも協会が他の選手たちにロシアのスポーツチームを宣伝してはいけないと説明してくれるそうで、少し安心した」とコメント。スペインのテニス専門メディア『Punto de Break』によると、同協会はすぐさまポタポワに対し「ユニフォーム着用は許容できないことで、ふさわしくない」と厳重注意を行なったという。

 SNS上では「応援しているサッカーチームのTシャツを着ていても何も問題はない」などとポタポワを擁護する声も散見されるが、紛争開始直後からウクライナ支援に積極的な姿勢を見せてきたシフィオンテクにとっては許しがたいことだったのだろう。ウクライナ侵攻のプロパガンダ(宣伝活動)とみなされる行動を取らないよう、今は全選手が慎重になるべき時なのかもしれない。

文●中村光佑

【PHOTO】ポタポワ、シフィオンテクら全米オープン2022で熱戦を繰り広げる女子選手たち!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号