海外テニス

「負けた理由がわからない」好調メドベージェフが19歳アルカラスに完敗で4連勝ならず<SMASH>

中村光佑

2023.03.21

3大会連続優勝中と絶好調のメドベージェフだったがアルカラスとの決勝では主導権が奪えず完敗した。(C)Getty Images

 先週行なわれた男子テニスのマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」のシングルスで準優勝に終わったダニール・メドベージェフ(ロシア/大会時6位/現5位)が、19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/大会時2位/現1位)にストレート負けを喫した決勝戦後の記者会見に出席。次戦に向けてすぐに気持ちを切り替える意志を示した。

 先月初旬のロッテルダム大会(ATP500)から立て続けに3大会を制し、連勝街道をひた走ってきた27歳のメドベージェフ。今回のBNPパリバ・オープンでは同大会独特の球足の遅いハードコートに度々不満を漏らしながらも粘りのプレーで再び決勝へとたどり着き、公式戦での連勝記録も19に更新。だが19歳にして凄まじい勢いで成長を続けるアルカラスとの"前王者対決"は厳しい戦いになることが予想された。

 迎えた決勝では緩急をつけたストロークやサーブ&ボレー、ドロップショットといった多彩なプレーを披露するアルカラスを相手に終始苦戦を強いられ、試合を通して3度のブレークを献上。自身は得意のストローク戦でもミスが重なり、1度もブレークのチャンスをつかめずに1時間10分で敗れた。
 
 4週連続優勝とマッチ20連勝を逃したメドベージェフは試合後の会見で開口一番「今日は今週を総括するのには難しい日となってしまった」と悔しさを押し殺しながらコメント。それでもこの敗戦をしっかりと受け入れたいとして以下のように続けた。

「こういうことは、テニスの世界では時々起こるものだ。ノバク(ジョコビッチ)との過去の試合でも同じようなことがあった。こういう結果になった本当の理由はわからないが、テニスでは時々、そんな感じで(敗戦の)理由がよくわからないことがある。決勝戦の結果にはがっかりしたけど、この1週間は素晴らしかった。インディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)で決勝に進出できてすごくうれしいよ。ここはハードコートだけど、僕の苦手なクレーコートのようでもあるから、僕にとってはいい結果だ」

 また完璧なプレーを見せて世界1位返り咲きを決めたアルカラスについては、「彼はとてもいいプレーをし、いいドロップショットやウィナーを決めて、僕に勝った。もう他に付け加えることはないだろう」と素直に称賛。その一方で「別のサーフェスでまた彼と対戦してみたい。もう少し球足の速いハードコートで自分がもっとうまくやれるかどうか試してみたい」と近い将来での再戦に闘志をのぞかせた。

 22日から開幕する「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)に向け、「いい結果を出したい」と意気込みを口にしたメドベージェフ。少しでもいい形で春の米国シリーズを締めくくってもらいたいところだ。

文●中村光佑

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