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海外テニス

“前王者対決”を制しアルカラスがBNPパリバOP初優勝!世界ランク1位へ返り咲く「僕にとって大きな意味がある」<SMASH>

中村光佑

2023.03.20

勢いの止まらないアルカラスは、初戦から1セットも落とさずマスターズ3勝目を手にした。(C)Getty Images

勢いの止まらないアルカラスは、初戦から1セットも落とさずマスターズ3勝目を手にした。(C)Getty Images

 男子テニスツアーのマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」(3月8日~19日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)は現地3月19日にシングルス決勝を実施。第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク2位)が第5シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/同6位)を6-3、6-2のストレートで下し、同大会初の優勝を飾った。

 準優勝に終わった先月のリオ・オープン(ATP500)で右太ももを痛めたものの、予定通りBNPパリバ・オープンに出場を果たした19歳のアルカラス。今大会は初戦(2回戦)から持ち前の強力なストロークで順調に勝ち上がり、“新世代対決”となったヤニック・シナー(イタリア/21歳/13位)との準決勝も見事ストレートで勝利。決勝まで1度もセットを落とすことなく初優勝に王手をかけていた。

 決勝で顔を合わせたのは、先月初旬のロッテルダム大会(ATP500)から3週連続優勝中、さらには公式戦19連勝中と絶好調のメドベージェフ。両者は2021年のウインブルドン2回戦で過去1度対戦しており、この時はアルカラスがストレートでメドベージェフに敗れていた。そこから共に大きな進化を遂げた中で迎えた今回の決勝は、どちらに軍配が上がるのか、ファンからも注目が集まっていた。

 この日の決勝は予想に反してアルカラスの独壇場となる。ラリーのペースを落としながらも隙あらば強打を交えるプレーで主導権を確保。第2ゲームで奪った1ブレークのリードを守り切って1セットアップとする。

 勢いの止まらないアルカラスは、第2セットでも第1ゲームから4ゲームを連取。ドロップショットやサーブ&ボレーも多く混ぜて終始メドベージェフを手玉に取り、1時間10分で勝利を収めた。
 
 “前王者対決”を制してマスターズ3勝目を手にしたアルカラスは、現地3月20日に更新される世界ランキングで1位返り咲きが確定。これを踏まえたうえで19歳のニューヒーローは試合後のオンコートインタビューで次のように優勝の喜びを語った。

「それ(1位奪還)は僕にとって大きな意味があるし、本当に素晴らしいことだ。この大会が大好きだし、ここで過ごす時間も本当に楽しい。だからこの舞台で優勝トロフィーを掲げることも、僕にとって大きな意味がある。初日から人々の愛を感じたよ。この10日間をこうして終えることができたのは素晴らしいことだ」

 22日から開幕するマイアミ・オープン(アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)では、昨年の同大会優勝で獲得したランキングポイントの大量失効が待ち受けており、世界1位をキープするにはタイトル防衛が必須となる。大きなプレッシャーがかかる中でアルカラスは、ディフェンディングチャンピオンとして臨むマイアミへ向けた意気込みをこう明かした。

「もちろんこのインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)で優勝したことは、マイアミへの自信につながる。僕が言えるのは、今大会での自分のプレーにとても満足しているということだ。マイアミでもこのレベルでプレーできることを楽しみにしているよ」

 19歳にして凄まじい成長ぶりを見せているアルカラス。10代でのサンシャインダブル達成にも期待は高まるばかりだ。

文●中村光佑

【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録
 
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