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「プレーしなければ外れることはわかっている」負傷離脱中のナダルが18年ぶりにトップ10圏外に<SMASH>

中村光佑

2023.03.21

負傷離脱によるランキングポイント失効でナダルが912週連続で維持していたトップ10入りに終止符が打たれた。(C)Getty Images

 現地時間3月20日、男子テニスを統括するATP(男子プロテニス協会)は最新の世界ランキングを発表。左股関節のケガで戦列を離れている元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン)が9位から13位に順位を落とし、およそ18年ぶりにトップ10から陥落した。

 直近8試合で2勝6敗と黒星が先行していたナダルは、ディフェンディングチャンピオンとして出場した1月のテニス四大大会「全豪オープン」2回戦でマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/現53位)と対戦した際に左股関節を負傷。

 試合後には自身のSNSで6~8週間にわたるツアー離脱を表明し、先週行なわれたマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)は出場を辞退した。さらに間もなく開幕する「マイアミ・オープン」(3月22日~4月2日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)についてもすでに欠場を表明している。

 これにより今回更新されたランキングでナダルは、昨年のBNPパリバ・オープン準優勝で獲得した600ポイントを失効。当時18歳だった2005年4月25日から912週連続でトップ10を守ってきたが、ついにその歴史的な記録が途絶えることとなった。
 
 近年ケガに悩まされているナダルは今年初め、故郷マヨルカ島で運営するテニスアカデミーの公式アンバサダーを務める母国の携帯電話事業会社「Movistar」のイベントで、「トップ10にいることが好きなのは明らかだ」とランキングへのこだわりを明かしていた。

 その一方で「プレーをしなければトップ10から外れることはわかっている」として、苦しい状況に直面しようともそれを受け入れる意志を示していた。

 テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、やはりナダルはランキングのことよりも得意のクレーシーズンでのツアー復帰に全力を注ぎたいと考えているようだ。

 その証拠に36歳のレジェンドは「僕にとって重要なことは、健康であることだ。(大好きな)クレーコートで戦うときは、自分が望むものを求めてプレーし、最終目標である全仏オープン(5月28日~6月11日/フランス・パリ/グランドスラム)のために戦うことができると思えるようになりたい」と今後に向けた意気込みを語っている。

文●中村光佑

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