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海外テニス

「僕はテニスを愛している」デルポトロがケガからの復帰に向けて再始動「ヒザの反応を見て見極めたい」<SMASH>

中村光佑

2023.03.28

ツアー長期離脱を強いられているデルポトロは、戦線復帰に向けてトレーニングを開始した。(C)Getty Images

ツアー長期離脱を強いられているデルポトロは、戦線復帰に向けてトレーニングを開始した。(C)Getty Images

 ワイルドカード(主催者推薦)で出場した昨年2月のアルゼンチン・オープン(アルゼンチン・ブエノスアイレス/ATP250)で現役引退を示唆していた男子テニス元世界ランク3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が、ツアー復帰への再スタートを切る意志を表明した。スペインのテニスメディア『Punto de Break』が報じている。

 2009年の全米オープンにおける悲願のグランドスラム(四大大会)初優勝や、22度のツアー優勝をはじめ、数々の輝かしい功績を残してきた34歳のデルポトロ。その一方でキャリアを通じて度重なる負傷に悩まされてきたが、中でも日常生活に支障が出てしまうほど深刻化してしまったのが右ヒザのケガだ。同箇所にはこれまでに4度メスを入れてきたものの、各種海外メディアでは「ヒザの痛みはまだ改善していない」と報じられている。

 だが、当のデルポトロはまだ正式には現役引退を発表していない。それどころか昨年9月に全米の観戦に訪れた際に応じた欧米メディア『ESPN』のインタビューでは「今でも僕はテニス選手だと思っている。またプレーをしたい」と近い将来での戦線復帰への意欲をのぞかせていた。さらには「全米の大会主催側からここでお別れをすることを提案されている」とも明かしていた。

 デルポトロは、今年から四大大会の一つである「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)が、南米の数か国で主催するジュニアトーナメントのアンバサダーおよびスポンサーを務めることになり、先週にはブラジルで開かれた同大会のイベントに登場。

 そこでは数多くの将来有望なジュニア選手たちと交流を行なった。実はアルゼンチンメディア『La Nación』でジャーナリストを務めるセバスティアン・トロク氏が、3月17日に更新した自身の公式ツイッター(@sebatorok)でその時の様子を撮影した写真を投稿したのだが、同氏が公開したデルポトロの右ヒザのアップ画像では、赤い手術痕のようなものが確認されていたのだ。
 
 具体的にいつ再手術を決行したのかについてはまだ明らかになっていないが、やはり“不屈の男”はまだテニスプレーヤーとしてコートに戻ってくることを諦めてはいないようだ。

 先日アルゼンチン人テニスジャーナリストのダニー・ミチェ氏の取材に応じたデルポトロは「僕はテニスを愛している。身体の問題やヒザのことには毎日取り組んでいるよ。以前言ったように、少なくとも今年の全米オープンまでは、戦線復帰への可能性を残しておくつもりだ。全米は僕にとって特別な大会だからね」と発言。

 さらには「僕のテニス(の感覚自体)はまだいい感じだし、ラケットを握って自分のフィーリングを確かめることについても問題はないだろう」と自信ものぞかせたうえで、「まだ時間はあるから、これからトレーニングを始めて、脚(ヒザ)の反応を見てうまくやっていけるかどうか見極めたい」と今後に向けての意気込みを口にした。

 無論復帰への道のりが険しいものとなるのは間違いないだろう。未だに完治していないヒザの状態についても心配は尽きない。それでも多くのファンが不屈の男の完全復活を信じているはずだ。今年中に再びコートで戦う姿は見られるのか、今後の動向から目が離せない。

文●中村光佑

【PHOTO】全米OP優勝、リオ五輪銀メダル獲得など輝かしい功績を残したデルポトロのキャリアを厳選ショットで紹介!

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