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海外テニス

「世界ナンバーワンになること」不屈の男デルポトロが達成したかった自身の夢を明かす<SMASH>

中村光佑

2023.03.17

度重なるケガを乗り越えてきたデルポトロが約20年のキャリアのなかで心残りに思っていることについて語った。(C)Getty Images

度重なるケガを乗り越えてきたデルポトロが約20年のキャリアのなかで心残りに思っていることについて語った。(C)Getty Images

 2009年の全米オープンで悲願の四大大会初制覇を果たし、ATPツアーでも22度の優勝を誇る男子テニス元世界ランク3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン/34歳)。度重なるケガに苦しみながらも、198センチの長身を生かした力強いテニスで数々の輝かしい功績を残してきた不屈の男は、約20年にもわたるキャリアのなかで心残りに思っていることがあるという。

 四大大会の一つである「全仏オープン」は南米の数カ国でジュニアトーナメントを主催しているが、そのアンバサダーおよびスポンサーを務めるデルポトロがブラジルで開かれた同大会のイベントに登場。どうしても達成したかった功績の1つに「世界ナンバーワンになること」を挙げたうえで、自身が“ビッグ3”(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)と称されるレジェンド3人と互角に渡りあった時代を振り返りながら懐かしげにこう語った。

「世界ナンバーワンになることが常に僕の夢だったし、常に世界王者になるために努力していた。同時に僕は自分のキャリアをとても誇りに思っている。ナダルやフェデラー、ジョコビッチがいたから、僕は1位になれなかった。その当時のランキングやキャリアの年月を見たりして、1位になるために誰と戦っていたのかということを認識すると、彼ら(ビッグ3)が僕にその夢を達成させなかったということを、とてもうれしく思うんだ」

 ちなみにデルポトロのビッグ3との対戦成績は、フェデラーに7勝18敗、ナダルに6勝11敗、ジョコビッチに4勝16敗といずれも負け越しているものの、この3人のレジェンドに太刀打ちできるプレーヤーが非常に少ないことを踏まえれば、十分に称賛に値する実績である。
 
 だが一方でデルポトロの言葉通り、常に自身の「世界王者になる」という夢を阻んでいたのもビッグ3だった。だからこそ長らく男子ツアーを盛り上げてきた不屈の男は3人の超人たちへの賛辞を惜しまない。

 最後には「ある日、ビッグ3の時代は終わりを告げる。カルロス・アルカラス、シヤニック・シナー、ホルガー・ルネ、あるいは他の若手たちがツアーを引っ張り、覇権を握ることになるだろう。だが我々はビッグ3から多くのことを学んだと思うし、今後は彼らが君臨したような時代が再びやって来ることはないだろう」と締めくくった。

 ワイルドカード(主催者推薦)で右ヒザの大ケガから約2年半ぶりのカムバックを果たした昨年2月のアルゼンチン・オープン(ATP250)の記者会見で現役引退を示唆したデルポトロ。現時点ではまだ正式に引退を表明してはいないものの、同年9月に応じた欧米メディア『ESPN』のインタビューでは「ヒザの状態はまだ芳しくない」と明かしていた。現在もツアーには出場しておらず、すでに世界ランキングからも彼の名前は消えている。

 それでもファンとしては再び元気にコートを駆け回る姿を見せてもらいたいところ。そのためには一日も早く最適な治療法が見つかることを祈るばかりだ。

文●中村光佑

【画像】全米OP優勝、リオ五輪銀メダル獲得など輝かしい功績を残したデルポトロのキャリアを厳選ショットで紹介!

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