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国内テニス

【伊達公子】1.5万ドル大会はプロのスタートライン。14歳でも世界を目指すなら出場しよう<SMASH>

伊達公子

2023.03.31

「ランキング表に自分の名前が載った時はうれしかった」と言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「ランキング表に自分の名前が載った時はうれしかった」と言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 国際テニス連盟(ITF)が管轄するプロ大会にはレベルがいくつかあり、1.5万ドルは1番下のカテゴリーです。当然、賞金総額は最も少なく、賞金よりも世界を目指す選手がランキングポイント獲得を目的として出場する大会です。

 1.5万ドル大会はプロなら誰もが通る道であり、私も高校3年生で初めて出場しました。当時は1万ドルの大会で、茨城で3回戦、佐賀で2回戦、愛媛で優勝しています。サーキットになっており、これら数大会の総ポイント上位の選手がマスターズに出場できる形式で、京都マスターズに出られて優勝し、初めて318位というランキングを得ました。

 ランキング表に自分の名前が載った時はうれしかったですね。だから、今でもこの「318位」は覚えています。これがプロテニス選手のスタートラインです。このランキングを手にして、海外の大会に出て行きました。

 現在は1大会で10ポイント以上獲得できると、すぐにランキングに反映され名前が載りますが、以前は3大会で結果を出した後でないとダメでした。とはいえ、1.5万ドルの優勝で10ポイントなので、それ以外の選手はランキング表に名前が出るまでに3大会で結果を出す必要があります。
 
 ジュニアやプロになりたての選手が、ランキングを手にするためには1.5万ドル大会が欠かせません。しかし、昨年までは国内で開催される女子の1.5万ドル大会がなく、海外に行くしかありませんでした。

 そこで今年、JWT50(元世界ランキング50位以内を経験した女子テニス選手の有志で構成される一般社団法人Japan Women’s Tennis Top50 Club)で、6大会創設しました。1.5万ドル大会の位置づけを理解して、プロとしての覚悟を持って臨んで欲しいと思います。

 1.5万ドルの大会に、ルール上は14歳から出場できます。現在のジュニアは、ジュニア大会とプロ大会を並行して出場するのが主流になっています。ジュニアでは結果を重視し、プロの大会ではチャレンジする場というように、違う目標を持って取り組むことが大切です。

 プロの世界での自分の状況把握と、世界で戦うために何が必要かを知る機会にしていくと、経験を積める良い場所になります。世界を目指し、プロを意識して取り組めているなら、14歳や15歳でもどんどん大会に出場し挑戦していくべきでしょう。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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