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国内テニス

【伊達公子】1.5万ドル6大会創設の裏話。スポンサー獲得に会場と日程の調整はパズルのよう<SMASH>

伊達公子

2023.04.07

「昨年の春ごろからスタートし、スピード感を持って開催」できることを喜ぶ伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「昨年の春ごろからスタートし、スピード感を持って開催」できることを喜ぶ伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 国内にプロテニスツアーの最も低いカテゴリーである1.5万ドルの大会がないことに危機感をおぼえ、JWT50(元世界ランキング50位以内を経験した女子テニス選手の有志で構成される一般社団法人Japan Women’s Tennis Top50 Club)で6大会創設しました。設立までの経過を紹介しましょう。

 大会を作るにあたり、最低でも2週連続、できれば3週連続ということにこだわりました。つまり、2、3大会をスポンサードしてくれるところを見つけなければいけなかったわけです。

 ジュニアにとって出場できそうな時期を調査して、夏前が良いことがわかり、カレンダーとにらめっこしながら、場所も探していきました。最終的に北海道の札幌で、3大会連続で開催できることになったのですが、最初は北海道の札幌以外の都市を考えていたんです。

 最初にある都市にアプローチしましたが、見事に砕け散り(笑)、その翌日の札幌のイベントに出演する時に、その話をしたんです。イベントの主催者の方々に私の想いを伝えたところ快く「じゃあ、やりましょう!」と。そこで決まりました。

 札幌は大きな都市なので、私の中では難しいと思っていたのですが、スポーツに理解がある人と、新しいことにトライしようという起業家の方々がそこにいたので、即決していただけました。
 
 他の3大会は(杉山)愛ちゃんが主催しているジュニア大会『AI SUGIYAMA CUP』のスポンサーでもある大東建託さんが引き受けてくれました。

 この3大会は会場で苦労しました。ハードコートが少ないことに加えて、1週間確保するのが難しいんです。そしてルール上、1つ上の2.5万ドル大会と同時期に開催できないので、それを考慮して日程も考えなくてはいけません。パズルでしたね。

 最終的には大阪のITC靭テニスセンターと福井の県営福井運動公園テニス場で、4月に連続してできることになりました。あと、6月に千葉の吉田記念テニス研修センターで1大会開催します。翌週には埼玉のグリーンテニスプラザで1.5万ドルの大会が開催されるので、選手にとっては2週連続ということになります。

 グリーンテニスプラザのオーナーの方とは、連絡を取り合い、連続で開催する方向で連携を取っており、それが実現しました。大会ボールも同じものを使用する予定です。予定していた大会を動かしてくれた会場もあり、本当に皆様の協力で開催に至っています。

 JWT50で1.5万ドルの大会が必要だという話が出たのが、昨年の春ごろです。そこからスタートし、スピード感を持って今年開催できるようになったのは、華やかさはなくても底辺の大会の重要さを理解してくださるスポンサーの方々、横のつながり、問題意識の高さ、実現力があったから。どれか1つ欠けても創設できなかったり、時間を要することになっていたと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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