国際テニス連盟管轄の1.5万ドル大会を創設するにあたって、連続数大会での開催にこだわったのは、ジュニアや若手にプロとして戦う感覚を養ってほしいからです。プロは遠征に出て3、4週間戦い続けることが普通ですし、コートやボールなどの環境に慣れることの必要性も理解しています。そういうプロとしてやるべきことを学び、習慣にしてほしいと考えています。
そこで、1大会に出場して終わらないように工夫しました。大会はマッチコート3面、練習コート1面があれば開催可能ですが、それでは練習できる人数が限られます。今回は、会場によって違いはありますが、多くの練習コートを確保しました。
例えば、大阪大会の序盤は練習コートを5面確保、福井では8面を練習コートに使える予定です。福井は国体の時に改修したハードコートが16面あるため、恵まれた環境ですし、協会や関係者の方々もとても理解がありアクティブです。
選手は練習コートを無料で使えますし、使用済みのボールの貸し出しもあります。1.5万ドルの大会は、生活面での快適さを提供する必要はないと思っていますが、選手として成長できる良い環境は整えたいと思っています。
加えて、ワイルドカード選手権(WC選手権)を行なうことにしました。ランキングを持っていない選手が1.5万ドルの大会に出ようした時、そこには優先順位があります。WTAランキング、ITFランキング、ナショナルランキング、ITFジュニアランキングの順番です。
つまり、ジュニアが1.5万ドルに出場したくても出られる可能性はかなり低いのです。そこで、2本のWCを勝ち抜いた人に与えることにしました。練習の場にもなりますし、WCをただあげるよりも、勝ち抜いて自分の道を切り開いていくほうが良いと考えた結果です。
WC選手権は独自でルールを決めていいため、21歳未満を出場資格にしました。何歳にするかは、JWT50内ですごく議論しましたが、ジュニアに加えてプロ駆け出しの選手までチャンスを広げることにしました。
このWC選手権を、前大会の会場(地域)で、水・木曜日に実施します。大会は大阪、福井、約1カ月空いて千葉、約1カ月空いて北海道で3大会開催されます。大阪と北海道の1週目のWC選手権は前週の土・日曜日に開催予定ですが、千葉のWC選手権は福井の会場で行なわれます。つまり、予選で負けた選手はそのまま会場に残って練習し、WC選手権に臨めるわけです。
豊富な練習コートの確保とWC選手権を行なうことで、負けて終わりではなく会場で練習して数週間を戦うという、プロらしい転戦の仕方を学ぶことが可能になりました。この環境を理解して、ぜひ有意義に活用してほしいと願います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子
そこで、1大会に出場して終わらないように工夫しました。大会はマッチコート3面、練習コート1面があれば開催可能ですが、それでは練習できる人数が限られます。今回は、会場によって違いはありますが、多くの練習コートを確保しました。
例えば、大阪大会の序盤は練習コートを5面確保、福井では8面を練習コートに使える予定です。福井は国体の時に改修したハードコートが16面あるため、恵まれた環境ですし、協会や関係者の方々もとても理解がありアクティブです。
選手は練習コートを無料で使えますし、使用済みのボールの貸し出しもあります。1.5万ドルの大会は、生活面での快適さを提供する必要はないと思っていますが、選手として成長できる良い環境は整えたいと思っています。
加えて、ワイルドカード選手権(WC選手権)を行なうことにしました。ランキングを持っていない選手が1.5万ドルの大会に出ようした時、そこには優先順位があります。WTAランキング、ITFランキング、ナショナルランキング、ITFジュニアランキングの順番です。
つまり、ジュニアが1.5万ドルに出場したくても出られる可能性はかなり低いのです。そこで、2本のWCを勝ち抜いた人に与えることにしました。練習の場にもなりますし、WCをただあげるよりも、勝ち抜いて自分の道を切り開いていくほうが良いと考えた結果です。
WC選手権は独自でルールを決めていいため、21歳未満を出場資格にしました。何歳にするかは、JWT50内ですごく議論しましたが、ジュニアに加えてプロ駆け出しの選手までチャンスを広げることにしました。
このWC選手権を、前大会の会場(地域)で、水・木曜日に実施します。大会は大阪、福井、約1カ月空いて千葉、約1カ月空いて北海道で3大会開催されます。大阪と北海道の1週目のWC選手権は前週の土・日曜日に開催予定ですが、千葉のWC選手権は福井の会場で行なわれます。つまり、予選で負けた選手はそのまま会場に残って練習し、WC選手権に臨めるわけです。
豊富な練習コートの確保とWC選手権を行なうことで、負けて終わりではなく会場で練習して数週間を戦うという、プロらしい転戦の仕方を学ぶことが可能になりました。この環境を理解して、ぜひ有意義に活用してほしいと願います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子