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26歳でトップ100入りを決めたユーバンクス。「色々な感情が湧いてきた」苦労人は、初のマスターズ8強も達成!<SMASH>

中村光佑

2023.03.30

破竹の快進撃を続けるユーバンクス。初のトップ100入りに「心を大きく揺さぶられた」という。(C)Getty Images

 現在行なわれている男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月22日~4月2日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)は現地3月28日にシングルス4回戦を実施。予選勝者で世界ランク119位のクリストファー・ユーバンクス(アメリカ)が同62位のアドリアン・マナリノ(フランス)を7-6(2)、7-6(5)のストレートで破り、四大大会に次ぐマスターズ1000大会で初となるベスト8進出を決めた。

 母国ファンの温かい声援を浴びながら伸び伸びとプレーをする26歳の快進撃が止まらない。予選2試合を勝ち抜いて2019年大会以来4年ぶりとなるマイアミ本戦の切符を手に入れたユーバンクスは、1回戦で同郷のデニス・クドラ(122位)にストレートで、2回戦では第17シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア/20位)に1セットダウンから逆転で勝利。

 そして3回戦ではグレゴワール・バレール(フランス/65位)を6-3、7-6(7)で撃破し、この時点でキャリア初のトップ100入りが確定。試合後には自身のベンチで人目をはばからず喜びの涙を流す姿がSNS上で拡散され、多くのファンから反響を呼んでいた。

 遅咲きの26歳はこの日のマナリノとの4回戦でも序盤から主導権を握り、第3ゲームから3ゲームを立て続けに奪ってリードを広げる。第9ゲームでブレークバックを許し、第1セットからタイブレークに突入するも、悪天候によるしばしの中断を挟みながら順調にポイントを奪い、1セットアップとする。

 第2セットも互いに一歩も譲らず、この日2度目のタイブレークへ。3度ミニブレークを奪われながらも自身は4度のミニブレークに成功し、粘りのプレーで準々決勝へと駒を進めた。
 
 17年にプロに転向して以降、着実に成長を続けていたユーバンクス。自身でも手応えをつかんでいたといい、「(プロになってから)最初の1年間は正直、もっと早く今回のような成績を残せるのではないか思っていた。1年で150位近くまで来て、必ず結果が出る時が来ると思っていた」と振り返る。ところが20年の新型コロナウイルス感染拡大によるツアー停止の影響で、「勢いが止まってしまった」という。

 だからこそ「いいプレーができている」と実感している自国開催のマイアミで殊勲のトップ100入りを決めたことについて「昨晩(3回戦終了後)は色々な感情が湧き上がってきて、心を大きく揺さぶられた」とコメント。テニスファンからも祝福の声が殺到し、「今日は第3セットまでもつれるだろうと考えていた」とマナリノとの試合中にも少々余韻に浸ってしまっていたようだ。

 それでも今は大会に集中したいと語ったユーバンクスは「SNSが通知でいっぱいになっているが、それはまた大会後に見るつもりだ。自分の具体的なランキングもまだよくわからない。大会が終わって自分がどの位置にいるのかが楽しみ」と会見を締めくくった。

 なおユーバンクスはマスターズ初のベスト4入りを懸け、準々決勝で元世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/現5位)と対戦する。厳しい戦いになるのは間違いないが、失うものは何もない。チャレンジャーとして生き生きとしたプレーを見せてほしい。

文●中村光佑
 
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【動画】ユーバンクスがマナリノを下したマイアミ・オープン4回戦のハイライト