海外テニス

全米OPを最後に引退か?ツアー復帰を目指すデルポトロが「最後の試合のために一生懸命努力する」と意気込み<SMASH>

中村光佑

2023.04.09

2009年の全米OP優勝しているデルポトロは、同大会での引退試合を望んでいるようだ。(C)Getty Images

 2009年の全米オープンにおける悲願のグランドスラム(四大大会)初優勝や、22度のツアー優勝をはじめ、数々の輝かしい功績を残してきた男子テニス元世界ランク3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン/34歳)。日常生活に支障が出るほど深刻化してしまった右ヒザのケガを理由として、昨年2月のアルゼンチン・オープン(ATP250)を最後に現役引退を示唆していたが、先日には待望のツアー復帰へ向けて再スタートを切ったと報じられていた。

 既報の通り右ヒザの再手術を決行したとも伝えられていたデルポトロは、先月末にアルゼンチン人テニスジャーナリストのダニー・ミチェ氏の取材に応じた際に、「僕はテニスを愛している。身体の問題やヒザのことには毎日取り組んでいるよ。以前言ったように、少なくとも今年の全米オープンまでは、戦線復帰への可能性を残しておくつもりだ。全米は僕にとって(思い出のある)特別な大会だからね」と発言していた。

 そして、現地4月5日に海外テニス専門メディア『We Are Tennis』が公式ツイッター(@We Are Tennis)に投稿した映像では、デルポトロがハードコートでヒッティング練習を行なう姿が公開されていたのだ。

 ただし、果たして本当に公式戦のコートに戻ってこられるかはやはりヒザの状態次第ということになるだろう。オーストラリアのニュースメディア『The West Australian』によれば、デルポトロ本人も「僕は最後の試合のためにおそらく一生懸命努力すると思うが、どうなるかはわからない。(カムバックへの)準備が整うかどうかは、神様が決めることだ」と不安をのぞかせているという。
 
 それでも長年男子ツアーを盛り上げてきた不屈の男は、かねてからもう1度プレーをしたいという想いを抱いていると強調する。一方でコンスタントにトーナメントでプレーし続けるのは難しいとも感じているのか、改めて今年の全米をキャリア最後の大会にするかもしれないともほのめかした。

「僕の目標は、大会の公式戦に出場できるようにすることだ。100パーセントとは言い切れないが、少なくとも、今年中にキャリア最後の試合を迎えるのであれば、全米オープンでプレーしたいし、その舞台はフラッシング・メドウズ(全米の開催会場)でなければならない」

 だがファンとしてはビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)に匹敵する実力を発揮していたデルポトロが完全復活を遂げ、再びツアーで活躍するところを見せてほしいものだ。そのためにもいち早くヒザのケガを克服するための治療法が見つかることを祈るばかりである。

文●中村光佑

【PHOTO】全米OP優勝、リオ五輪銀メダル獲得など輝かしい功績を残したデルポトロのキャリアを厳選ショットで紹介!
 
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【動画】デルポトロがハードコートでヒッティング練習を行なう姿を公開!