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海外テニス

「今回の優勝はとても重要なものだ」世界5位ルードが今季初タイトルを獲得!ツアー通算10勝目を飾る<SMASH>

中村光佑

2023.04.10

大きく調子を落としていたルードだったが、ヨーロッパのクレーコートシーズンに入り早速優勝を手にした。(C)Getty Images

大きく調子を落としていたルードだったが、ヨーロッパのクレーコートシーズンに入り早速優勝を手にした。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「エストリル・オープン」(4月3日~9日/ポルトガル・エストリル/ATP250/クレーコート)は、現地4月9日にシングルス決勝を実施。第1シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/世界ランク5位)が第6シードのミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/同40位)を6-2、7-6(3)のストレートで下し、同大会初優勝を飾った。

 昨季だけで2度の四大大会決勝(全仏と全米)に進出し、大躍進を遂げた24歳のルード。ところが新シーズンに入ってからは一転して早期敗退が続いており、今回のエストリルまでは1度も連勝がなかったほど大きく調子を落としていた。

 そんな中で臨んだ今大会も決して順調に勝ち進んできたわけではなかった。初戦から厳しい戦いを強いられながらも何とか勝ち上がり、カンタン・アリス(フランス/80位)との準決勝も、ファイナルセットタイブレークまでもつれ込む激戦の末に勝利。険しい道のりを経て今季初のツアー優勝に王手をかけていた。

 この日の決勝では、ルードが得意のフォアハンドを軸とした積極的な攻撃で主導権を確保する。時折バックハンドのループボールやドロップショットを交えた多彩なプレーで第2ゲームから5ゲームを連取し、難なく第1セットを先取する。

 第2セットに入ってからは、再三のブレークチャンスを生かしきれないもどかしい展開が続くも何とかサービスキープを続け、両者一歩も譲らないままタイブレークに突入。ここでしっかりと集中力を維持したルードが順調にポイントを重ね、1時間47分で試合を締めくくった。
 
 昨年7月のスイス・オープン(スイス:グシュタード/クレーコート/ATP250)以来約9か月ぶりとなる自身10度目のツアータイトルを獲得したノルウェーテニス界の至宝は、試合後の表彰式で以下のように喜びを語った。

「最高の気分だよ。エストリルでプレーするのは初めてだし、ラッキーだったね。この日曜日にトロフィーを手にすることができたのは、とても特別なことだ。前回のタイトル獲得からかなりの月日が経っているから、今回の優勝は僕にとってとても重要なものだ」

 そして最後には、大会期間中声援を送ってくれた会場のファンへ向けて「ファン(の応援)やスタジアム、コートの雰囲気、すべてが最高だった。僕がコートに立つたびに、スタジアムは満員だった。今日、そしてこの1週間、ここにいるすべての人に感謝したい」と心からの謝意を表した。

 得意のクレーシーズン初戦で最高のスタートを切ったルード。今週は休む間もなく「モンテカルロ・オープン」(4月9日~16日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)に出場するためケガには気を付けてほしいところだが、この勢いのままマスターズ初優勝を大いに期待したい。

文●中村光佑

【連続写真】安定感抜群の回転軸が生み出す、C・ルードの「必殺フォアハンド」!
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