海外テニス

王者ジョコビッチがモンテカルロで格下に逆転負け、「こんなプレーをして最悪な気分だ」<SMASH>

中村光佑

2023.04.14

全仏に向けて弾みを付けたいジョコビッチだったが格下21位にまさかの逆転負けを喫した。(C)Getty Images

 今週開催されている男子テニスツアーのマスターズ1000大会「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月9日~16日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート)は現地4月13日にシングルス3回戦が行なわれ、センターコート第3試合に世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が登場。第16シードで同21位のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に6-4、5-7、4-6の逆転で敗れ、ベスト8 進出を逃した。
 
 新型コロナウイルスのワクチン未接種により先月初旬のBNPパリバ・オープンとその翌週のマイアミ・オープンの米国マスターズ2大会には出場できなかったジョコビッチ。2月のドバイ選手権(ATP500)以来約2か月ぶりの復帰戦となった今回のモンテカルロでは、初戦で予選勝者のイワン・ガホフ(ロシア/198位)を7-5(5)、6-2のストレートで下し、クレーシーズン初戦を白星で飾っていた。

 この日の3回戦は序盤から両者一歩も譲らないシーソーゲームとなる。ムゼッティの緩急のあるストロークに苦戦を強いられながらも互いに2つブレークを取り合って迎えた第10ゲームで値千金のブレークを果たしたジョコビッチが第1セットを先取する。

 取って取られてを繰り返す激しいブレーク合戦となった第2セットでは得意のストローク戦でミスを重ねるなど終始精彩を欠いたジョコビッチが計5度のブレークを喫してセットオールに持ち込まれる。
 
 勝負のファイナルセットは悪天候による一時中断を挟みながらも第6ゲームまでは両者ともにサービスキープを継続する。プレー再開後もどこか波に乗れなかったジョコビッチは第7ゲームで痛恨のブレークを献上。ムゼッティのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームでは3度のマッチポイントを凌ぐ粘りを見せるもそのまま追いつくことができずに2時間54分で力尽きた。

 試合後の記者会見で落胆の色を隠せなかった35歳のレジェンドは、言葉少なに「現状僕はあまりいいプレーができていないし、彼(ムゼッティ)はとてもいいプレーをしているから、タフな試合になることはわかっていた。悲惨な結果というわけではないけど、こんなプレーをしてしまって最悪な気分だ。今は何も言えない」とコメント。

 その後「彼にはおめでとうと言いたい。彼は大事な場面でタフであり続けた。ロレンツォに幸あれ」と勝者のムゼッティを素直に称えた。

 今後の予定については来週開催される「バニャ・ルカ・オープン」(4月17日~23日/ボスニア・ヘルツエゴビナ:バニャ・ルカ/クレーコート/ATP250)に出場すると明かしたジョコビッチ。ムゼッティ戦では右ヒジにサポーターを付けながらプレーしていただけに同箇所の状態が心配されているが、ここから調子を上げていけるか注目したい。

文●中村光佑

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