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海外テニス

女子ダブルス優勝スピーチを突如封印したマドリード・オープン!「幼い息子に理由を説明できない」と勝者アザレンカ<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.05.13

マドリード・オープンの女子ダブルス表彰式でピーチできないという異常事態が起きた(写真右から2人目がアザレンカ)。(C)Getty Images

マドリード・オープンの女子ダブルス表彰式でピーチできないという異常事態が起きた(写真右から2人目がアザレンカ)。(C)Getty Images

 テニス四大大会に次ぐグレードを誇る伝統の大会「マドリード・オープン」(4月25日~5月7日/スペイン・マドリード/クレーコート/WTA1000)で事件は起こった。

 多くのプロテニス大会の場合、決勝戦後の表彰式では優勝者と準優勝者によるスピーチの時間が設けられる。だが、今年の「マドリード・オープン」の女子ダブルス決勝ではそれが認められず。選手からは「今までに聞いたことがない」と不満の声が噴出している。

 スピーチを許されなかったのは、優勝したビクトリア・アザレンカ/ベアトリス・ハダッドマイア(ベラルーシ/ブラジル)のペアに加え、準優勝したココ・ガウフ/ジェシカ・ペグラ(アメリカ)の4名。ちなみに前日行なわれた男子ダブルス決勝の際は、出場した4選手全員が表彰式でスピーチをしている

 なぜ、女子ダブルスでは表彰式でスピーチが認められなかったのか…。その原因の一つと考えられるのが、アザレンカによる大会主催者への批判だったと考えられている。

 実は大会中の5月5日に誕生日を迎えた男子のカルロス・アルカラス(スペイン)と女子のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)にケーキが贈られたが、アルカラスのケーキが3段重ねの豪華なものだったのに対して、サバレンカのケーキは1段だけのシンプルなもの。この大きさの違いが「男女差別だ」とSNS上で話題になると、アザレンカも「これ以上ないくらい正確に示している」と反応。男女に対する扱いの違いを批判したのである。

 元選手でトーナメントディレクターを務めるフェリシアーノ・ロペス氏は、ケーキの違いは「アルカラスにとって母国開催の大会だったこと」などを理由に挙げ、同じく大会中に誕生日を迎えた男子のホルガ―・ルネ(ノルウェー)に贈られたのはアザレンカ同様の“1段ケーキ”だったと明かし、アザレンカの指摘を間接的に否定した。
 
 果たしてスピーチ見送りはアザレンカの一言が原因なのか…。本件に関しては英メディア『BBC』が主催者側に理由の説明を求めたが、「大会はこの件に関してコメントしない」と拒否されたと伝えている。

 当事者のアザレンカはSNSを通じて「幼い息子のレオになぜママがスピーチできなかったかを説明するのはとても難しい」と発言。

 また準優勝したペグラは『BBC』の取材に対して「表彰式でスピーチできないことを告げられて動揺した。こんなこと生まれて初めて聞いた。こうした決定を下すなんて私たちはいつの時代に生きているのかわからない。本当にがっかりさせられた」と心境を語っている。

 マドリード・オープンでは、ボールガールにヘソ出しクロップ・トップとミニスカートを着用させたことで開幕直後から「男子にはさせない格好を女子だけにさせるのは性差別行為の一つ」と批判が殺到(その後、大会途中から服装は変更された)。そうしたこともあってか主催者側がアザレンカの発言に過剰反応してしまったのかもしれない。

 とはいえ、激闘を勝ち抜いてきたチャンピオンのスピーチを理由も明かさずに中止するのはやり過ぎであり、大会自体の価値を下げることにもなる。

構成●スマッシュ編集部

【画像】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げるアザレンカら女子選手たちの厳選写真!
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