今月末から開催される全仏オープンテニス本戦で、日本人女子選手のダイレクトインがいない可能性が高いという危機的状況に陥っています。それを打開するためにも、若手の成長が欠かせないという中、石井さやか選手が17歳でプロ転向宣言を行ないました。
ここでふと思うことが、プロに転向するまではアマチュアだったということで、この違いは何だろうということです。昔は、プロ宣言をすれば賞金をもらえて、アマチュアだと日当2万円しかもらえないなど、違いがはっきりしていました。
以前はジュニア時代からプロの大会に出場することはまれでした。しかし現在は、16歳ぐらいでITFツアーのプロの大会に出場するのは世界的にも主流です。ITFは国際大会であるため、日本のプロ登録はまったく関係ありません。そのため、アマチュアでも賞金をもらえます。当然、日本で開催されるITF大会でも賞金はもらえるのです。
アマチュアの日当2万円が関係しているのは、日本テニス協会の公式大会でのことに限られます。つまり、全日本選手権を含む日本テニス協会が主催する日本の大会に出場しない場合は、プロ登録は必要ないということになります。実際、全日本に出場していない大坂なおみ選手は日本テニス協会のプロ登録をしていません。しかし、彼女は日本代表メンバーですし、ナショナルの施設も使えます。
また、ウェアやバッグなどにメーカーのロゴを付けてスポンサー契約による収入を得たい場合もプロ登録が必要になります。しかし、日本のトップジュニアたちは、メーカーからギア提供を受けており、最近ではラケットにステンシルも入れていますし、ウェアにパッチを付けていることも多くなってきました。そして、金額は大きくないとしても、スポンサー契約をしている場合もあります。
それは現在の流れとしては不思議ではありません。ジュニアでも遠征が増えるほど金銭面でのサポートは必要になってきます。海外ではジュニアでもプロの大会で賞金をもらうことは当たり前ですし、エージェント契約もしています。
エージェントは有望なジュニアを探し、早い段階で契約しようと考えています。シャラポワやヒンギスも若い頃からマネージメント会社と契約をしていました。この点で日本は世界の主流から遅れている状態です。
現場は世界的な流れと同じ方向を向こうとしている中、古いアマチュアの規定が残っているためにグレーゾーンが大きくなっていると感じます。テニスは本来、日本スポーツのプロ化のパイオニアでした。これだけ世界が変わってきている今、世界的な流れに沿った規定に変えるべき時がきているのではないでしょうか。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子
ここでふと思うことが、プロに転向するまではアマチュアだったということで、この違いは何だろうということです。昔は、プロ宣言をすれば賞金をもらえて、アマチュアだと日当2万円しかもらえないなど、違いがはっきりしていました。
以前はジュニア時代からプロの大会に出場することはまれでした。しかし現在は、16歳ぐらいでITFツアーのプロの大会に出場するのは世界的にも主流です。ITFは国際大会であるため、日本のプロ登録はまったく関係ありません。そのため、アマチュアでも賞金をもらえます。当然、日本で開催されるITF大会でも賞金はもらえるのです。
アマチュアの日当2万円が関係しているのは、日本テニス協会の公式大会でのことに限られます。つまり、全日本選手権を含む日本テニス協会が主催する日本の大会に出場しない場合は、プロ登録は必要ないということになります。実際、全日本に出場していない大坂なおみ選手は日本テニス協会のプロ登録をしていません。しかし、彼女は日本代表メンバーですし、ナショナルの施設も使えます。
また、ウェアやバッグなどにメーカーのロゴを付けてスポンサー契約による収入を得たい場合もプロ登録が必要になります。しかし、日本のトップジュニアたちは、メーカーからギア提供を受けており、最近ではラケットにステンシルも入れていますし、ウェアにパッチを付けていることも多くなってきました。そして、金額は大きくないとしても、スポンサー契約をしている場合もあります。
それは現在の流れとしては不思議ではありません。ジュニアでも遠征が増えるほど金銭面でのサポートは必要になってきます。海外ではジュニアでもプロの大会で賞金をもらうことは当たり前ですし、エージェント契約もしています。
エージェントは有望なジュニアを探し、早い段階で契約しようと考えています。シャラポワやヒンギスも若い頃からマネージメント会社と契約をしていました。この点で日本は世界の主流から遅れている状態です。
現場は世界的な流れと同じ方向を向こうとしている中、古いアマチュアの規定が残っているためにグレーゾーンが大きくなっていると感じます。テニスは本来、日本スポーツのプロ化のパイオニアでした。これだけ世界が変わってきている今、世界的な流れに沿った規定に変えるべき時がきているのではないでしょうか。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子